2015 Fiscal Year Annual Research Report
抗肥満・抗糖尿病・抗酸化性転写因子の機能解析と活性化食品成分の同定
Project/Area Number |
25504003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 誠 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (40409008)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ATF4 / 食品成分 / FGF21 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、①転写因子ATF4を活性化する食品成分のスクリーニング、及び②DNAマイクロアレイを用いたATF4標的遺伝子の探索、及び機能解析を行った。 ①食品成分のスクリーニングに関しては、初年度の評価系確立の遅れのため本年度も継続した。スクリーニングにより同定した食品成分Aに関して、培養細胞レベルで詳細な作用機序を解析した。アデノウイルスを用いてATF4をノックダウンしたところ、食品成分Aによる標的遺伝子の変動が見られなくなった。また、食品成分AはATF4の翻訳を活性化することが示された。これらの結果から食品成分AはATF4を介してFGF21を含む標的遺伝子の発現を制御することが示された。現在、さらに上流因子の解析を行っており、食品成分Aの直接の標的タンパク質の同定を行う予定である。さらに食品成分Aの個体レベルでの機能解析も検討中である。 ②DNAマイクロアレイを用いたATF4標的遺伝子の探索に関しては、同定した標的候補遺伝子に関して細胞・個体レベルの解析を行った。複数の新規標的遺伝子のプロモーター領域にATF4の応答配列(AARE)が存在することを見出した。その中の遺伝子Aに関しては、AAREを変異させたルシフェラーゼプラスミドを構築した。実験の結果、遺伝子AはAARE依存的にATF4による転写制御を受けることが示された。この遺伝子Aは、ATF4のようなユビキタスな発現ではなく組織選択性があることを見出した。今後、この遺伝子の過剰発現・ノックダウン実験により小胞体ストレスやエネルギー代謝への関与を解析する予定である。
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