2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25504016
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
臼田 信光 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30135123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 元晶 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (70387728)
厚沢 季美江 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (60387727) [Withdrawn]
森山 陽介 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (00452532)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 栄養科学 / 脂肪酸β酸化系 / 臓器特異性 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪酸β酸化系は、肝細胞においてはエネルギー産生とケトン体産生を担い、2種の細胞小器官に存在する代謝系である。虚血性心疾患や脂肪肝などの生活習慣病のリスクは、栄養学的治療により回避できる。ミトコンドリアとペルオキシゾームに局在する脂肪酸β酸化系は全ての脂肪酸に共通した異化代謝系である。加えて後者は多価不飽和脂肪酸合成も担う。それらの異常は様々な器官に脂肪沈着を、脳においては機能異常をもたらす。ペルオキシゾームの系については、全身の細胞における分布、核内受容体を介した酵素誘導機構が明らかになってきたが、二つの代謝系のうち圧倒的に重要なミトコンドリアの系については、十分調べられていない。 全身の器官・培養細胞について、脂肪酸β酸化系酵素の抗体アレイ・qt-PCRを用い、酵素の分布を調べるとともに、初代培養細胞を用いてin vitro probe assayとトレーサー実験で、脂肪酸β酸化能とケトン体産生能を測定する。幹細胞からの分化誘導実験により臓器特異性の成立過程を知る。さらに、正常・酵素欠損異常症に由来する培養細胞を用いて酵素誘導機構を検討する。以上により脂肪酸β酸化系の栄養学的な学術基盤を形成する目的で研究を行っている。 両代謝系の分布については、脳において全酵素の分布量が極めて少ない例外を除き、全身の器官に共通した分布を示した。複数のラット初代培養細胞において、量的には大きな差があるものの全酵素が共通して存在し脂肪酸β酸化能を有するため、それらが脂質代謝を研究するモデル細胞となると示した。神経幹細胞からの分化誘導実験は、均一な分化細胞が得られないため中止し、初代培養神経細胞の分化過程の解析に変更した。病態解析に有用な線維芽細胞での酵素誘導現象は、程度は弱いものの存在すると思われた。器官と細胞における代謝系の量的差と酵素誘導についての多様性の成立機構が今後の課題である。
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Research Products
(11 results)