2015 Fiscal Year Annual Research Report
緊急被ばく再生医療における栄養学的最適化に関する基礎研究
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25504022
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
道川 祐市 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 主任研究員 (20360688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 淳之 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (40261276)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線 / 被ばく / 再生医療 / 幹細胞 / 栄養 / 消化管 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は医療用成分栄養剤(フルカリック2号、田辺三菱製薬社)の効果を検証した。ビタミン類や糖分、アミノ酸、電解質等がバランス良く含まれている。本来は人間の点滴静注用製品であるが、正常マウスは自発的に吸引摂取することを確認した。通常固形エサ(MB-1、フナバシファーム)を与えて1週間の訓化飼育を行ったマウスにX線20Gyを下腹部照射し、直後から水と交換に成分栄養剤を置き、自由摂取させた。非投与対照マウスと比べて4日目から体重減少度の低下が認められ、5日目以降は明瞭な有意差が示された。生存日数は非投与対照マウスの平均7日間と比較して、平均1日の延長を得ることができた。
また、緊急被ばくモデルマウスの栄養摂取状態を解析するための代謝ケージについて検討を行った。通常の代謝ケージは訓化に2日以上の飼育を要し、狭い空間と鉄網が及ぼす動物へのストレスを考慮すると、その後の解析期間は数日程度である。しかしながら本課題で対象としている被ばくマウスの生存期間は1週間ほどあり、現行の代謝ケージではその全期間に渡って解析することは困難である。したがってストレス負荷の少ない長期間飼育可能なサイズの代謝ケージ開発が求められる。そこで、通常ケージの床材として食糞防止アミ(278mmx148mm、新東洋製作所)を使用し、床敷きケージでの飼育マウスと体重変動を1か月間に渡って比較してみたところ、全期間において両者に有意な差は認められなかった。特質すべきことに、床敷きケージで飼育していた正常マウスを食糞防止アミケージに移動しても、1日目から落ち込むことなく安定であった。ただし、マウスを被ばく直後に移動させた場合は有意な低下が認められ、あらかじめ訓化させておく必要性が明らかとなった。最後に、この食糞防止アミを用いた新規代謝ケージのデザインを行い、その開発を検討している。
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Research Products
(3 results)