2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25510008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsukuba Gakuin University |
Principal Investigator |
浜田 利満 筑波学院大学, 経営情報学部, 教授 (50316642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 瑞恵 愛国学園大学, 人間文化学部, 講師 (00559734)
香川 美仁 拓殖大学, 工学部, 准教授 (20313330)
永沼 充 帝京科学大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70319086)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロボット・セラピー / 介護 / リハビリテーション |
Research Abstract |
ワークサンプリング法を用い、ロボット・セラピーにおける高齢者、介在者の状況および日常の高齢者の行動を調査し、以下の結果を得た。 1)ロボット・セラピーにおいて、高齢者は肯定的な反応(75%)を示し、高い評価を示した高齢者では肯定的な反応が90%近い値を示した。肯定的な反応は「ロボット(の動き)に応える」「笑う、喜ぶ」「撫でる、触る」といったロボットに対する能動的な反応と、「見聞きする」「介在者と話す」といった受動的な反応に分けると、全体としてはほぼ同程度である。しかし、高い評価を示した高齢者ではその割合が50%を超えており、セラピー実践者は能動的な反応を高く評価した。 2)ロボットと高齢者の間に入り、反応を促したり、サポートをする介在者は、高齢者の反応をより肯定的なものとし(70%→90%)、セラピー効果を高める重要な役割をしている。とくにセラピー評価が低い高齢者において、介在者との会話の発生以上に、肯定的な反応の増加、能動的な反応の増加が顕著である。 3)ロボット・セラピー実施日と未実施日における高齢者の行動を調査した結果、問題行動の低減効果が見られ、ロボット・セラピーの日常生活への効果が期待できると考える。 これらの結果は、高齢者に能動的な反応を誘発するセラピー実施方法の開発がロボット・セラピー普及の鍵になることを示している。また、介在者の具体的な役割を明確化し、セラピーシナリオを確立することが望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高いセラピー効果を得るためには、高齢者に能動的な反応を誘発させること、介在者の存在が重要であることが明らかになった。また、ロボット・セラピーが高齢者の日常生活へ良好な効果があることも分かった。これらの成果は、効果の高いロボット・セラピー実施方法を開発しようとする本研究の第一歩として、ほぼ予定通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ロボット・セラピーにおける高齢者、介在者などの状況のワークサンプリング法による調査を継続する。 (2)高齢者の反応とロボットの動作・種類の関係の分析し、セラピー効果の高いロボットの選択方法を検討する。 (3)ロボット・セラピーにおける介在者の活動内容と高齢者の反応を分析し、介在者の役割を明確にする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議での発表を予定していたが、2014年6月開催 Universal Village 2014 において、セッションをオーガナイズすることになり、2013年度の海外出張を延期した。 MIT主催、IEEE共催の国際会議Universal Village 2014 (Boston)において、論文発表を行う。
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