2014 Fiscal Year Research-status Report
世代間交流に基づく「認知症ケアリング教育」のためのプログラムと教材の開発
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25510019
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
菅谷 泰行 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00206393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 世代間交流 / 認知症 / 認知症教育 / ケアリング / 高齢者 / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は子どもと高齢者の世代間交流と「認知症ケアリング教育」を視座にして、次の3つの調査研究活動を行うことを大きな目的としている。1)世代間交流に基づく子どもへの認知症教育の現状調査を日本と海外を対象に実施する。2)上記1)の研究成果を踏まえ、認知症ケアリング教育のためのプログラムと教材開発を行う。3)公開シンポジウムを開催し、認知症教育のための研究ネットワークの構築に向けた基盤作りを行う。 上記の3つの目的のうち、1)については、大阪府社会福祉協議会と近畿老人福祉協議会の協力を得て、平成25年度に近畿圏の計1337の高齢者施設を対象に実施した世代間交流の実態調査の分析結果を日本介護福祉学会誌『介護福祉学』第21巻第2号に発表した。またドイツの認知症教育に関する調査結果を日本世代間交流学会第5回全国大会において口頭発表した。つぎに2)については、大阪府八尾市の社会福祉法人『八尾隣保館』と大阪府枚方市に本部を置く社会福祉法人『聖徳園』の協力を得て、特別養護老人ホーム、グループホーム、デイサービスセンターを利用する認知症高齢者と保育園児との音楽と絵本を媒介とする世代間交流セッションを計3回実施し、プログラムと教材の開発を進めた。またこれらの活動のうち、音楽を用いたプログラム開発についての中間報告を日本世代間交流学会第5回全国大会において口頭発表した。最後に3)に関しては、世代間交流と認知症教育に関する日独シンポジウムをドイツのアルンスベルク市とドイツアルツハイマー協会と合同で、同アルンスベルク市に於いて平成26年9月に開催した。またこのシンポジウム記録集を刊行するとともに、アルンスベルク市のホームページ上にシンポジウムのためのサイトを開設し、関係諸機関とのリンクを設け、認知症教育のための研究ネットワークの構築に向けた基盤作りを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は子どもと高齢者の世代間交流と「認知症ケアリング教育」の2つを視座にして、3つの調査研究活動を行うことを課題としている。1)世代間交流に基づく子どもへの認知症教育の現状調査を日本と海外を対象に実施し、世代間交流と認知症教育の現状を明らかにする。2)上記1)の研究結果を踏まえ、認知症ケアリング教育のための教育プログラムと教材開発を行う。3)この開発したプログラムと教材を一般に広く公開し、当該教育活動の発展と普及に寄与するとともに、当該研究活動に関係する研究者、実践者を集め、公開シンポジウムを開催し、認知症ケアリング教育の発展のための研究ネットワークの構築に向けた基盤作りを行うことである。これらのうち、1)については、国内での質問紙調査と海外での現地調査をすべて終了させ、その成果を学会等において発表した。次に2)については、認知症高齢者と保育園児との音楽と絵本を媒介とする世代間交流セッションを計3回実施し、交流のためのプログラムと教材の開発を進めた。最後に3)に関しては、世代間交流と認知症教育に関する日独シンポジウムをドイツに於いて開催し、このシンポジウム記録集を刊行するとともに、アルンスベルク市のホームページ上にシンポジウムのためのサイトを設置し、世代間交流に基づく認知症教育のための研究ネットワークの構築に向けた基盤作りを行った。またその内容を日本世代間交流学会第5回全国大会において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に予定されている世代間交流に関する国際会議に出席し、研究成果の発表と研究ネットワークの発展に向けた作業を更に推進する。また実施してきた認知症高齢者と保育園児の世代間交流のためのプログラムと教材のブラッシュアップを行い、完成度の高いプログラムに仕上げるとともに、公開に向けた準備作業を進める。
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Causes of Carryover |
世代間交流に基づく認知症教育に係る日独シンポジウムをドイツに於いて開催したが、このシンポジウムの開催に要した諸経費の総額が、先般の急激な円安に伴う為替レートの変動によって、予定していた支出額に変更があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表に必要な旅費などに使用する。
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Research Products
(7 results)