2015 Fiscal Year Annual Research Report
世代間交流に基づく「認知症ケアリング教育」のためのプログラムと教材の開発
Project/Area Number |
25510019
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
菅谷 泰行 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00206393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 世代間交流 / 認知症 / 認知症理解教育 / ケアリング / 高齢者 / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は子どもと高齢者の世代間交流と「認知症ケアリング教育」という2つの視座から、次の調査研究活動を行うことを目的とする。1)世代間交流に基づく子どもへの認知症教育の現状調査を日本と海外を対象に実施し、世代間交流と認知症教育の現状を明らかにする。2)世代間交流に基づく認知症教育に関するシンポジウムを開催し、認知症ケアリング教育のためのネットワークの構築に向けた基盤作りを行う。3)世代間交流に基づく認知症ケアリング教育のためのプログラムと教材の開発を行う。 この3つの目的のうち、1)は2013年度に、また2)は2014年度に研究をほぼ完了した。この点を踏まえ、最終年度に当たる2015年度は主に3)の研究に従事した。この3)については、大阪府八尾市の社会福祉法人『八尾隣保館』と大阪府枚方市に本部を置く社会福祉法人『聖徳園』の協力を得て、2013年と2014年に認知症高齢者と保育園児による世代間交流セッションを継続して実施し、プログラムと教材の開発に向けた分析を進めている。2015年度はこの分析結果の検証を行うために、大阪府堺市に所在する『泉北園百寿荘』の協力を得て、当施設のデイサービスに通う高齢者と当施設が併設する保育園に通う年長園児を対象にして、2カ月間の世代間交流セッションを計2回実施し、交流前後の変化について検査スケールを用いて評価した。その結果、過去2年間の分析結果と同様に、園児のQOLの得点が交流後に有意に上昇し、その中でも、とりわけ自尊感情の改善が著しいことなどが再確認された。この結果を基にして、認知症ケアリング教育に関わる効果的な交流プログラムと教材の作成を行った。 最後に、2013年度から開始した3年間の研究調査の成果に関して、アメリカのハワイ州で開催されたジェネレーション・ユナイテッドの第18回国際会議に於いて発表し、各国の研究者とディスカッションを行った。
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Research Products
(6 results)