2013 Fiscal Year Research-status Report
米国における日本の竹文化の受容と展開に関する日米文化交流史研究
Project/Area Number |
25511010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
岩松 文代 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (50382403)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 竹 / アメリカ / アート / 工芸 / 文化交流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、米国における日本の竹文化の受容と展開を日米文化交流史的に考察することである。 平成25年度は、米国における日本の竹美術の流入と展開をテーマとして調査研究をすすめた。具体的には、米国においては、竹芸を収蔵している美術館、ギャラリー、美術品収集家、さらに展覧会などに関する文献資料調査と現地実態調査を行った。一方、日本においては、花籠の工芸史に関する文献資料調査とあわせて、米国と交流してきた美術館、骨董品店舗、作家、その他の竹芸に関わる人々に対して実態調査を行った。 その結果、まず米国の人々によって、どのように日本の新旧の竹芸が愛好され、収集されてきたのかという史的経緯を把握することができた。これに関して、本研究の研究協力者によって、米国の美術館にて現在、開催されている、米国における日本の竹芸コレクションの展覧会についての実態と考察が雑誌にて発表され、米国の日本美術愛好家や日本美術専門家による日本の竹芸への関心のあり方が指摘された。 そして、現代の米国では、日本の竹芸は伝統工芸としての関心のみではなく、新たにコンテンポラリーアートとしての評価を得るようになってきたことから、日本にはなかった発展がみられており、この日米文化交流が現代日本の竹芸を支えていることが明らかになった。このように、まず米国における日本の竹芸を主に調査することによって、日米文化交流の相互作用に関して重要な一面を明らかにできたことは、本研究において大きな意義があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、竹美術の流入と展開を明らかにするための資料調査と現地調査について、予定していた内容を、おおむね達成できたと思われる。さらに、当初の計画段階では予定していなかった竹芸の関係者を開拓でき、新たな調査課題を発見することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
竹美術の調査を今後もさらに継続し、整理していくとともに、25年度の現地調査で得られた人々のつながりを活用して新たな調査を実施する。さらに今年度のテーマである竹栽培について、対象地域を確定して現地調査を実施していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、本研究の初年度にあたり、翌年度以降にも米国現地調査を含めた研究費の使用が必要となるためである。 平成26年度の研究費は、日米の竹文化交流を現地でさらに把握するために、米国調査の旅費が主たる支出となる予定である。
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Research Products
(1 results)