2014 Fiscal Year Research-status Report
米国における日本の竹文化の受容と展開に関する日米文化交流史研究
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25511010
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
岩松 文代 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (50382403)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 竹 / アメリカ / 日米文化交流 / 日本美術 / 竹工芸 / コレクター / 竹栽培 / 竹貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、米国における日本の竹文化の受容と展開を日米文化交流史的に考察することである。 平成26年度は、前年に引き続いて、米国における日本の竹美術の受け入れ調査を実施し、さらに竹栽培と竹貿易を調査対象とした。 まず、国内調査では、竹製品や竹工芸を通じてアメリカと日本とを結びつけてきた貿易商社、メーカー、骨董品の専門の人々、また米国から依頼されるなどによって竹工芸を製作してきた人々等への聞き取り調査、さらに来日した米国のコレクターや美術館のキュレーターに対するインタビューを実施した。そして、明治期以降の日本からの竹材・竹製品輸出について、聞き取り調査および文献資料調査を行った。そこには、かつての日本の竹資源による生産力や、加工の技術力、また美的感性などの資質を備えてきたことに加えて、日本の竹に対する米国からの好奇心や憧れが強く寄せられていたことがみとめられた。 次に、米国調査では、アメリカでの竹の栽培、販売に関わる人々へのインタビュー等によって、日本の竹などの園芸栽培が行なわれ、これまでの日本の栽培技術が大いに参照されてきたことが把握できた。そして、日本の竹工芸展覧会への訪問や竹美術コレクターへのインタビューによっては、日本の伝統的な竹芸品から新たなアートにいたるまで、新旧の作品が、様々なタイプのコレクターによって収集され続けていることが確認できた。 このように国内調査と米国調査をあわせることで、竹文化を通じた日米交流の理解をすすめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、米国における日本の竹美術の移入と展開に関して、国内外での現地調査と文献資料調査を継続させ、また米国への竹苗の移入と展開に関して、竹栽培の調査を進めるとともに、米国への竹製品の移入と展開について、国内での聞き取り調査と文献資料調査を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの2年間で得られた日米の様々な調査対象者との交流関係を活かしながら、資料収集を中心として必要な情報を確保し、整理分析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
前年度の米国出張旅費を次年度での支出としたために生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度の米国出張旅費を次年度分からの支出とする。
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