2015 Fiscal Year Annual Research Report
茶文化の総合的研究――茶論・絵画・女性を中軸として
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25511013
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
滝口 明子 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20179576)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 茶文化 / 文化史 / 文化学 / 比較文化史 / 女性 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成27年度はこれまで収集した資料の整理・分析を行うとともに、8月後半から9月初旬にかけて海外調査を行い、さらに研究の進展を図った。今年度の海外調査は、スイスのジュネーブ大学図書館貴重書室における古文献の調査、スコットランドのエディンバラ美術館におけるリオタール展見学と講演会出席、ならびにオランダでの調査が中心となった。ジュネーブ大学図書館貴重書室では、17世紀フランス語による茶・コーヒー・ココア論の著者であるヤコブ・スポン関連の資料をはじめ、多くの茶論関連資料を発見し収集することができた。スイス滞在中に、リオタールの専門家であるマルセル・ロスリスベルガー氏(元ジュネーブ大学教授)ならびに日本の茶道に造詣の深いフィリップ・ニーゼル氏とも面談し、昨年度に引き続き交流を深めることができた。今後、収集した資料の読解と分析を続け、茶の比較文化史的研究のデータベースを形成したいと考えている。 本研究では茶の文化学の基礎を構築するために、欧米の茶文化の形成とその展開を総合的に考察した。具体的には以下の3つの多元的視座から研究をおこなった。 (1)欧米茶書の系統的研究 (2)日常生活における茶の実態や茶の意味に関する研究(絵画と詩文学・思想書にみられる茶の表象と表現) (3)日本・中国・アジア諸地域の茶文化と欧米茶文化の比較研究(女性とコミュニケ―ションという視点を含む) 上記の目的を達成するために、古典を読みこむという文化史的研究手法に加えて、イギリス・オランダ・スイスにおいて現地調査を行い図書館や美術館などで貴重な一次資料を入手し分析・整理することで、主に17~18世紀欧米における茶文化の形成過程を実証的かつ多面的に解明することができた。今後さらに日本やアジアの茶文化との比較研究をとおして、欧米の茶文化の特質について考察を深め、茶の比較文化史的研究に寄与したいと考える。
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