2013 Fiscal Year Research-status Report
米国の住宅差し押さえ危機とその政策対応に関する実証研究
Project/Area Number |
25512002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
豊福 裕二 三重大学, 人文学部, 教授 (70345966)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アメリカ / 住宅 / 差し押さえ / サブプライムローン |
Research Abstract |
今年度は、米国のモーゲージ銀行協会の収集しているNational Delinquency SurveyデータおよびInside Mortgage Finance社のMortgage Market Statistical Annualデータをもとに、最近の全米の住宅の差し押さえ動向および住宅ローン市場動向を分析するとともに、HousingPulse Tracking Surveyデータによってカリフォルニア州における差し押さえ物件の売買動向を分析した。その結果、カリフォルニア州ではこの間、投資家による差し押さえ物件の大量購入が目立ち、それが差し押さえ物件の供給量の減少に伴って住宅価格を押し上げる要因となっていたが、最近では地価の反転を機に、売買差益(投機)目的で物件を保有していた投資家による物件の売却が進んでいることが明らかとなった。先行研究によれば、投資家の中には、賃料収入を目的として物件を賃貸住宅として長期保有する者もあるが、たんなる売買差益を目的とした短期保有の者も多く、コミュニティ内における適切な住宅の修繕・管理が進まない要因ともなっている。カリフォルニア州においてこうした投資家による差し押さえ物件の保有がコミュニティにどのような影響を及ぼしているのかを検証することが今後の課題である。 なお、こうした研究の途中経過については、和歌山大学経済学部の研究ユニットである土地政策研究会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の課題は、HousingPulse Tracking Surveyデータなどをもとに全米およびカリフォルニア州における差し押さえ危機の最近の状況を把握するとともに、さらに小地域レベルにまで分析を進めることにあったが、現時点ではカリフォルニア州全体の動向を把握したにとどまっている。ヒアリング調査実施までにこうした遅れを解消したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の課題は、現地でのヒアリング調査によって差し押さえ危機に対する地域レベルでの施策の実態とその成果を検証するとともに、政策当局の保有する情報によってデータ分析の結果を検証することにある。ヒアリング先の候補としては、連邦政府の補助事業である近隣安定化プログラム(Neighborhood Stabilization Program:NSP)の 受給者となっているリバーサイド郡およびサンバーナーディノ郡の担当部局や、両郡において差し押さえ物件の取得・修繕・売却事業を行っているNPO であるインランドエンパイア経済復興公社(IEERC)などがある。IEERCに対しては2010 年度にも調査を行っており、今回は追跡調査として位置づけられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データの購入費用が当初見積よりも安価であったため。 データの更新や資料購入に充当する。
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