2015 Fiscal Year Annual Research Report
フランスの共同住宅管理体制と管理思想に関する研究ー持続可能な管理体制の再編ー
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25512004
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
関川 華 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (10646087)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 管理体制 / 社会住宅 / フランス:イギリス:日本 / ガルディアン / 管理主体 / 人的管理 / 対人サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は以下の4つの課題によって研究目的を達成しようとしている。課題1は「日本の区分所有共同住宅の管理体制の現状把握」、課題2は「フランスの民間区分所有共同住宅の伝統的な管理体制と、それが導入され始めた社会住宅の管理体制の仕組みの把握」、課題3は「フランスの民間所有共同住宅の伝統的管理体制が社会住宅に導入された経緯の解明、フランスにおける住宅に対する考え方ならびにそれを管理する思想の把握」、課題4は「イギリスの共同住宅の管理体制の概要の把握」である。 平成27年度は11月に課題4の「イギリスの共同住宅の管理体制の概要の把握」に着手し、現地調査を行なった。ヒアリング調査はNational Housing FederationおよびChartered Institute of Housingという公的住宅管理組織の政策担当者を対象とした。また、対人サービスや居住者教育の重要性を提示し、公営住宅の管理思想の祖となったオクタヴィア・ヒルに関する資料を収集した。一連の調査の結果、オクタヴィア・ヒルをルーツとする管理思想の現代的な展開について把握することができた。 イギリスにおける対人サービスの考え方は、福祉領域でケアが必要な居住者層への特別なサービスとして展開していることが分かった。居住者教育の考え方は、各公営住宅の管理組織(公社)で任意で決定されているルールに、その展開が見られるということが分かった。フランスとイギリスとの管理思想のつながりを探ることがもう一つの調査の目的であったが、その点については依然として参考文献の中の記述でしか確かめることができなかった。いずれの調査対象からも、ヨーロッパへの公営住宅の設計や管理思想は影響し合う可能性があるため、厳密に両者の関連が有るか否かは明言できないとの意見がきかれた。 上記のほか、当該年度で研究計画が完了したので、平成27年度末に成果報告所の作成、印刷を行なった。
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Research Products
(4 results)