2015 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な不動産開発のための簡易アセスメント制度とその手法に関する研究
Project/Area Number |
25512007
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
原科 幸彦 千葉商科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20092570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 卓也 千葉商科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90599391)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境アセスメント / 持続可能性 / アジェンダ21 / 参加 / 情報公開 / public concerns / オーフス条約 / 合意形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
不動産開発における簡易アセスメントの導入に向け、その制度と手法について検討するため、現在の日本国内における環境アセスメントの状況を米国のアセス制度と国際比較するとともに、アセスが必要と思われるにも関わらずアセスが行われなかった国内事例の問題点を明らかにした。これらの成果は、学会誌等に発表した。 東京オリンピック・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の計画は、人々の懸念(public concerns)が特に大きいのにも関わらず、国際標準のアセスメントが行われず大きな問題を残した。このプロセスについて詳細に分析し、その問題点を明らかにした。当初の計画案は2015年7月、安倍首相の決断で見直しが進んでいるが、見直しに至るまでのアセスプロセスは国際オリンピック委員会の定めるアジェンダ21に基づく国際標準のアセスとはなっていない。すなわち、代替案検討がなく、評価項目の範囲も狭い。 最終年度は国内外の学会発表に重点を置いた。国際学会では、フィレンツェで開催された国際影響評価学会(IAIA)年次大会で国際比較の議論を行ない、国際シミュレーション&ゲーミング学会(ISAGA)では、参加と合意形成の観点から招待講演を行った。国内学会では、環境アセスメント学会大会で国際社会における環境アセス分野の日本の展開と題するワークショップを開催し、環境科学会の大会で、アセスは持続可能な社会の作法と題し、参加と合意形成の視点からの招待講演を行った。さらに、日本不動産学会の大会でもWSを主催し、不動産開発における具体の問題を検討した。 そして、学芸出版社から共編著書『都市・地域の持続可能性アセスメント』を出版し、その出版記念講演会も京都、東京、仙台の3か所で行い、普及啓発を行うとともに議論を深めた。なお、本書により、2015年度の日本環境共生学会著述賞を受賞した。
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