2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25513003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 武 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00446791)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 吸着剤 / PCB / VOC / Passive sampling / PUF |
Research Abstract |
課題1 新規吸着剤の設計,合成,開発 1-1尿中代謝物分析用の多機能吸着剤の設計と合成では、尿中夾雑成分を選択的に分離・除去する吸着剤を開発している。1-2パッシブサンプラー用焼結樹脂多孔体試作 気孔径の異なる焼結体樹脂多孔体で、パッシブサンプラーの性能試験を実施した。 課題2 環境モニタリング 2-1生体モニタリング尿中バイオマーカーの分析法開発における 尿中代謝物の前処理法を開発しLC/MS/MSを用いた分析法の開発 水酸化PCBの高分解能GC/MS測定でサロゲート回収率の向上した。PCBの専用缶への移設作業や収集運搬業務と連動させたPCB作業従事者の尿モニタリングを実施した。2-2大気モニタリング:パッシブサンプラーによる大気モニタリング手法開発1)大気中の揮発性有機化合物(VOC)、多環芳香族炭化水素(PAH)をGC/MS を用いて定量する。パッシブサンプラー(PUF:ポリウレタンフォーム)による大気中PCBのモニタリング、並行してローボリウムサンプラーによる大気捕集結果と比較し、吸脱着モデル、異性体毎の組成等から、異性体毎のsampling rateを求めた。 2)尿中PAH の代謝産物としての水酸化PAH の前処理-測定システムの開発:ナフタレン, ピレン, フェナンスレン の代謝産物をLC/MS/MS で定量した。一斉分析のための前処理法を開発した。吸着剤の性能の長所短所を比較した。海技者の労働環境中でのPAH曝露量評価法について検討した。 3)尿中DNA 損傷性のバイオマーカーの測定:PAH等による活性酸素バイオマーカーとして尿中8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン(8-OHdG)を分析は実施できていないが血液中の8-OHdGの測定方法を検証している。 尿中バイオマーカー測定により化学物質の負荷を定量化し作業者のリスク低減の方策の基礎データを集積している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題1 「新規吸着剤の設計、合成、開発」、課題2 「環境モニタリング」の「2-1 生体モニタリング尿中バイオマーカーの分析法開発」 は順調に進展している。「2-2 大気モニタリング(VOC,PAH, PCB)パッシブサンプラーによる大気モニタリング手法開発」 は順調に進展している。 1)大気中の4 種の揮発性有機化合物(VOC)、大気PM 中の16 種類の多環芳香族炭化水素(PAH)をGC/MS を用いて定量する。 2)尿中PAH の代謝産物としての水酸化PAH の前処理-測定システムの開発:3 種類のPAH としてnaphthalene, pyrene, phenanthrene を対象とし、それぞれの代謝産物である1,2- naphthalene,1-hydroxypyrene, 1-, 2+9-, 3-, 4-hydroxyphenanthrene をLC/MS/MS で定量する。一斉分析のための前処理法を改良する。 3)尿中DNA 損傷性のバイオマーカーの測定については実施できていないが、保管試料について分析実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1 「新規吸着剤の設計、合成、開発」は、「1-1 尿中代謝物分析用の 多機能吸着剤の設計と合成」について、選択的捕集・溶出実験の最適化を実施する。「1-2 パッシブサンプラー用焼結樹脂多孔体試作」では、吸着剤、焼結樹脂の組合せを変化させて、より効率的なシステムを見出す。その効率的なシステムを用いて、個人曝露評価用バッジ型パッシブサンプラーを試作する 課題2 「環境モニタリング」の「2-1 生体モニタリング尿中バイオマーカーの分析法開発」では、尿中代謝物の前処理 -LC/MS/MS 分析法の高選択化・高感度化と尿中DNA 損傷性バイオマーカー測定を実施する。「2-2 大気モニタリング(VOC, PAH, PCB)」について、パッシブサンプラーを装着し作業者個人曝露評価、さらに、大気汚染物質と尿中バイオマーカーとの関連性評価を進める予定である。1)大気中の4 種の揮発性有機化合物(VOC)、大気PM 中の16 種類の多環芳香族炭化水素(PAH)をGC/MS を用いて定量する。大気中PAHについて今年度より、全国一斉調査(年4回)に合わせてハイボリウムサンプラーで捕集し、分析する予定である。 2)尿中PAH の代謝産物としての水酸化PAH の前処理-測定システムの開発:3 種類のPAH としてnaphthalene, pyrene, phenanthrene を対象とし、それぞれの代謝産物である1,2- naphthalene,1-hydroxypyrene, 1-, 2+9-, 3-, 4-hydroxyphenanthrene をLC/MS/MS で定量する。一斉分析のための前処理法を改良する。3)尿中DNA 損傷性のバイオマーカーの測定: PAH 等による活性酸素バイオマーカーとして尿中8-hydroxy-2’-deoxyguanosine(8-OHdG)を分析する。
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Research Products
(12 results)