2013 Fiscal Year Research-status Report
シロイヌナズナ花茎の抗重力形態形成におけるブラシノステロイドの機能解析
Project/Area Number |
25514004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山崎 千秋 横浜市立大学, 付置研究所, その他 (30636189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 幸久 横浜市立大学, 付置研究所, 教授 (30300875)
中村 郁子 横浜市立大学, 付置研究所, 助教 (40585858)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植物ホルモン / 抗重力形態形成 / ブラシノステロイド / 宇宙生物科学 |
Research Abstract |
一時保存用植物の茎は重力の力に抵抗するために強固な体を構築し、耐倒伏性の獲得や姿勢制御を行っている。これまでに、植物の重力に抗うための体作り (抗重力形態形成) の発現に、植物ホルモンのブラシノステロイド (BR) の関与が示唆されてきたが、植物ホルモンと抗重力形態形成の関わりの大部分が明らかになっていない。本研究では、シロイヌナズナ花茎が重力を感受して抗重力形態形成を発現するまでの各段階において、BR生合成や応答がどのように関与するかを明らかにすることを目的としている。 本研究は課題を2つに分けており、課題1ではシロイヌナズナ花茎の茎頂特異的なBR生合成の重力依存性の解明、課題2ではシロイヌナズナ花茎の直立/倒伏や二次細胞壁形成に対するBR依存性の解明を目標としている。 課題1では材料となるシロイヌナズナ重力感受変異体や重力応答変異体等のラインを揃えることと、実験系の構築を行うことを今年度の目標としていた。変異体は具体的に重力感受変異体phosphoglucomutaseや重力シグナル伝達変異体 auxin influx facilitator1、重力応答変異体auxin resistant3等のラインを整備した。また、シロイヌナズナやエンドウの茎に過重力を与える実験系の最適化を実施した。課題2では、BRが胚軸において茎の剛性を担う分子メカニズムを明らかにすることを今年度の目標としていた。初年度は、野生型シロイヌナズナ花茎の茎頂側から基部側にかけて1 cm毎に輪切りにしてDNAマイクロアレイ解析を行い、花茎の茎頂側と基部側の基本的な遺伝子発現の差異について解析を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者らの研究室では、シロイヌナズナ花茎において、茎頂側でBRが生合成される一方、基部側ではBRが生合成されていないことを解明した。外生BR処理により茎の倒伏率が上昇することを考えると、茎頂側のBR生合成領域が広がると、茎の強度不足となり重力に抵抗する強固な体になれないことが推測される。従って、上流で重力シグナルがBR生合成領域を制御している可能性が考えられる。そこで、課題1では、花茎の茎頂部位でのBR生合成領域が重力刺激によって制御されているかを解明することを目的とした。初年度は、材料となるシロイヌナズナのラインを揃えることと、過重力実験系の構築を行うことを目標とした。材料はABRCから取り寄せ、整備が完了した。また、花茎に過重力を与える実験系を検討した。ボルティングしたシロイヌナズナ及びエンドウ芽生えを遠沈管に移植し、24時間、30g条件で遠心刺激を与えながら植物個体を生育させた。その結果、両植物において抗重力形態形成が確認された。この実験条件を基本条件として、BR生合成や応答部位に重力シグナル伝達が関与しているか確認する予定である。 また、Vandenbusscheらの解析 (2011) により、BRがシロイヌナズナ胚軸において細胞壁の強度決定に関与している可能性が示唆されたが、花茎でも同様の知見が得られるか、またどのような分子機構でBRが茎の強度決定を担うか明らかではない。そこで、課題2ではBRが茎の剛性を担う分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。初年度は、野生型シロイヌナズナ花茎の茎頂側から基部側にかけて輪切りにしてDNAマイクロアレイ解析を行い、花茎の茎頂側と基部側の基本的な遺伝子発現の差異について解析を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1では、花茎の茎頂部位でのBR生合成領域が重力刺激によって制御されているかを解明することを目的とする。今年度はシロイヌナズナ花茎において、茎頂のBR生合成領域が重力シグナル伝達を介して制御されているか確認するために、前年度に整備した重力関連変異体を用い、BR生合成領域をqRT-PCRで解析し、野生型と比較する予定である。加えて、昨年度構築した植物体に過重力刺激を与える実験系を用い、抗重力形態形成とBR生合成部位の関連を解析する予定である。また、抗重力応答はメカノレセプターを介して生じることが推測されるが、花茎にメカノレセプター阻害剤処理をしたときの花茎の直立する割合とBR生合成領域を同様に解析し、BR生合成領域の制御が重力感受に支配されているか確認する予定である。 課題2ではBRが茎の剛性を担う分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。今年度は、野生型シロイヌナズナの花茎に外生BR処理およびBR生合成阻害剤 (BRZ) 処理を行い、BR濃度依存的な花茎の倒伏率と剛性の変化を定量する。加えて、外生BR処理時の花茎の茎頂や基部の二次細胞壁の変化を定性的に評価するために、花茎の部位別横断面の細胞壁染色を実施する。また、花茎にBRを処理することで人為的に花茎を倒伏させる実験条件を設定し、花茎の茎頂側から基部側にかけて輪切りにしてDNAマイクロアレイ解析を行うことで、直立していた花茎が倒伏する過程における時空間的な遺伝子プロファイルを解析したいと考えている
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度にマイクロアレイ解析を実施するために予算を計上していたが、計画より少ない金額で解析が終了したため物品費において次年度使用額が生じた。 研究補助員等の謝金とする予定。
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[Presentation] オーキシン生合成のフィードバック制御における YUCCA 遺伝子の発現制御機構2014
Author(s)
三井麻利江,石田遥介,鈴木優志,筧雄介,山崎千秋,石井貴広,林謙一郎,藤岡昭三,中村郁子,持田恵一,添野和雄,嶋田幸久
Organizer
第55回日本植物生理学会年会
Place of Presentation
富山大学五福キャンパス
Year and Date
20140318-20140320
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[Presentation] キュウリ内皮細胞におけるCsPIN1オーキシン排出キャリアの局在変化の重力応答性2013
Author(s)
Nobuharu Fujii, Chiaki Yamazaki, Yutaka Miyazawa, Motoshi Kamada, Haruo Kasahara, Ikuko Osada, Toru Shimazu, Yasuo Fusejima, Akira Higashibata, Takashi Yamazaki, Noriaki Ishioka, Hideyuki Takahashi
Organizer
東北植物学会第3回大会
Place of Presentation
秋田県立大学
Year and Date
20131214-20131215
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[Presentation] Graviresponse induces re-localization of an auxin efflux carrier, CsPIN1, during gravimorphogenesis of cucumber seedlings2013
Author(s)
Nobuharu Fujii, Chiaki Yamazaki, Yutaka Miyazawa, Motoshi Kamada, Haruo Kasahara, Ikuko Osada, Toru Shimazu, Yasuo Fusejima, Akira Higashibata, Takashi Yamazaki, Noriaki Ishioka, Hideyuki Takahashi
Organizer
34th Annual Meeting of International Society for Gravitational Physiology
Place of Presentation
穂の国とよはし芸術劇場(愛知県豊橋市)
Year and Date
20130623-20130628
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