2014 Fiscal Year Research-status Report
植物の抗重力反応機構の解明:細胞形態の制御におけるアクチン繊維の役割
Project/Area Number |
25514005
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
曽我 康一 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (00336760)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 抗重力反応 / 過重力 / アクチン繊維 / 表層微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物が重力に対抗できる体を構築する「抗重力反応」におけるアクチン繊維の役割を解明するために、平成26年度は、遠心過重力環境で生育させたアズキならびにシロイヌナズナ芽生えのアクチン繊維の動態の解析、ならびに、アクチン繊維と微小管を蛍光タンパク質で標識した組換え体の作出を行った。 過重力環境下で生育させた芽ばえでは、重力の大きさが大きくなるにつれて、茎表皮細胞の長軸の長さは減少し、短軸の長さは増加した。また、アクチン繊維を蛍光ファロイジンにより染色し、蛍光顕微鏡を用いて観察したところ、重力の大きさが大きくなるにつれて、細胞長軸に平行な方向のアクチン繊維が多く見られるようになった。共焦点レーザー顕微鏡を用いて、より詳細にアクチン繊維の動態を観察したところ、核につながっているアクチン繊維の向きがより顕著に過重力によって変化していた。また、このようなアクチン繊維の変化は、細胞上部で、より多く見られた。以上のように、過重力により細胞形態が変化する際に、アクチン繊維の動態が変化することが示された。現在、より詳細な解析を行っている。 アクチン繊維の動態と表層微小管の配向の間に何らかの関係があるのか否かを解析するために、当初の予定では、アクチン繊維を蛍光ファロイジンで、また、表層微小管を抗チューブリン抗体を用いて可視化する予定であったが、より詳細に両細胞骨格の動態を解析するために、蛍光タンパク質で標識した組換え体の作出を行った。現在、数ラインの組換え体が得られており、今後、アクチン繊維の動態と表層微小管の配向の関係を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定していなかった組換え体の作製を行ったため、刺激受容機構の解析は、平成26年度には行わなかったが、計画は問題なく進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
より詳細な解析を行うため、アクチン繊維と表層微小管を蛍光タンパク質によって可視化した組換え体を作出しており、それらを用いて、アクチン繊維の動態と表層微小管の配向の間に何らかの関係があるのか否かを解析する。また、同組換え体を用いて、刺激受容機構の解析を行う。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Growth stimulation in inflorescences of an Arabidopsis tubulin mutant under microgravity conditions in space2014
Author(s)
Hoson T, Soga K, Wakabayashi K, Hashimoto T, Karahara I, Yano S, Tanigaki F, Shimazu T, Kasahara H, Masuda D, Kamisaka S
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Journal Title
Plant Biology
Volume: 16(S1)
Pages: 91-96
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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