2014 Fiscal Year Research-status Report
被災地域で絶滅の危機にある伝統芸能における継承者支援法の開発
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25516002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 信一 東北大学, 教育情報学研究部, 教授 (50210969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 克美 東北大学, 教育情報学研究部, 准教授 (40611182)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 伝統芸能 / アーカイブ / CG / 継承 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度も、25年度同様にモーションキャプチャによる伝統芸能の動作記録、また立体視カメラによる映像記録を行った。実際にモーションキャプチャを行ったのは、福島県飯館村の芸能1種、秋田県の芸能2種(秋田市等)、岩手県大船渡市の芸能1種である。立体視カメラによる記録は宮城県を中心に10程度の芸能に対して行った。その他ビデオ映像により10種ほどの芸能を撮影した。また、わらび座デジタルアートファクトリーおよび劇団わらび座養成所の協力により秋田の芸能3種(大仙市等)のモーションキャプチャデータを得た。 これらのデータをもとに芸能練習用のCGアニメーションを作製した。さらに後継者不足により笛の演奏が途絶えてしまった芸能に対し、古いテープ音源から笛の音のデジタルによる再現を行った。現在は、これらのCGアニメーション等を継承者らに練習に用いてもらっているところである。特にリアルタイムで自分のモーションを振り返えったり、タブレット端末を用いた振り返り等による練習の効果について研究中である。また、継承者らにインタビューをしながらこれからの芸能の継承継続についての問題点や解決策、そしてモーションキャプチャー等のICTがそれにどう貢献できるかについて検討している。 広く一般に研究成果を公開するためにWEBサイトを開設し、更新を続けている。現在まで、静止画・テキスト中心の芸能情報を80種、動画による情報をCGアニメーション・ビデオ映像合わせて約100種類公開した。なお、2015年4月までの動画再生回数は合計約20000回である。 また2014年の研究成果の一部についてはEd-Media2014で発表した。その他、学会や研究会等で研究成果を発表している。また教育情報学研究に論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モーションキャプチャのセンサ故障があったり、CG作成に予定以上の時間がかかり教育効果等について深く検討できていないところがあるため、若干遅れている部分がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、いくつかの芸能を対象とし、実際にモーションキャプチャのデータの活用法とその効果について検討する予定である。具体的には、タブレット端末を用いて自分や師匠の踊りの振り返り学習とその効果、ARやVRを用いた芸能の表現、またそれを用いた学習とその効果について考察する。 これらを27年度いっぱい活用することで得られたデータ、継承者らへのインタビュー、現地調査をもとにデジタルデータを活用した伝統芸能の保存、また継承法についてまとめる予定である。
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Research Products
(8 results)