2015 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災とワーク・キャリアの再体制化に関する研究
Project/Area Number |
25516004
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
上野山 達哉 大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (90323188)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 経営学 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究の目的は、個人のワーク・キャリアに関する認知が、きわめて予測困難でありながら非常に影響力の強い自然災害によって、どのような過程を経て再体制化していくのかを、東日本大震災という具体的事象をめぐる比較事例的視点から明らかにすることである。理論的には、ワーク・キャリアにおける環境変化を主として扱うトランジション研究における鍵概念の批判的再検討を目的としている。経験的分析としては、歴史上稀有な自然災害である東日本大震災に主眼を置くことで、研究の独自性を追求するものである。 平成27年度においては、以下の活動を主として実施した。第1に、当該研究では、キャリア・トランジションおよびセンス・メイキングの理論的枠組みを、各フィールドの分析に適用することを企図している。そのため、各領域の文献研究を進め、前述した分析枠組みを、より精緻化するための考察をおこない、説明力の高いフレームワークに改定を行った。他方で、追加的なインタビュー調査を実施し、前述のフレームワークとの継続的な相互参照をおこなうことで、その有効性を高めることをめざした。 第2に、これまでの研究成果をまとめ、査読済みのフルペーパーを交換した。 上野山達哉・櫻田涼子「自然災害によるワーク・キャリアの再体制化とイナクトメント:東日本大震災被災地事業所従業員のケースをもとに」『商学論集』福島大学経済学会、84(3)、37-52、2013年3月。
|