2014 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災における養護教諭の実践分析と自然災害対応養護教諭研修プログラムの構築
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25516005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
工藤 宣子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60305266)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 養護教諭 / 心的疲弊予防 / 研修プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東日本大震災の被災県に勤務する養護教諭および、被災県の養護教諭を支援した他県より派遣された養護教諭を対象としたインタビュー調査の内容分析及び先行研究による既存の研修プログラムの検討から、自然災害に対応した養護教諭の心的疲弊を防ぐ研修プログラムを構築するものである。 2年目の平成26年度は、昨年度に引き続き、先行研究・関連文献の収集、既存の研修プログラムの内容の検討を行った。また、関連学会に参加し、最新の研究の動向について情報収集した。また、昨年度インタビュー調査を行った被災養護教諭・内陸から被災地への異動となった養護教諭のインタビューデータの分析を行った。また、被災地への支援を行った養護教諭のインタビュー調査を実施し、そのデータの分析を行った。 さらに、昨年度、各県・政令指定都市66カ所の教育センター等を対象に行った自記式質問紙調査の結果は、「養護教諭自身のメンタルヘルスに関する教育センター研修の実態~自然災害対応におけるストレス及び心的疲弊に着目して~」として、日本養護教諭教育学会第22回学術集会にて報告した。また、昨年度行った養護教諭対象のインタビュー調査については分析を進め、分析の結果は、日本学校健康相談学会第11回学術集会において、「東日本大震災における養護教諭の活動の実際と困難感(第1報)-津波被害を経験した養護教諭へのインタビュー分析から-」「同(第2報)-内陸から津波被害地に転勤した養護教諭へのインタビュー分析から-」「同(第3報)-津波被害地を支援経験した養護教諭へのインタビュー分析から-」として研究成果の報告を行った。 現在は、上記研究成果を基に、自然災害に対応した養護教諭の心的疲弊を予防する研修プログラムの開発および研修会実施に向けて準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究及び関連図書の収集、昨年度実施の教育センター対象の質問紙調査(養護教諭を対象とした研修の実施状況調査)の研究成果の報告は、おおむね予定どおり進んでいる。 しかし、調査対象者に行ったインタビュー調査実施の遅延から、データの分析および成果の公表が当初予定より遅延してしまった。その結果、研究成果を基に開発予定の研修プログラムの開発が遅れてしまっている。そこで、「やや遅れている」という自己評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定より遅延してしまってはいるが、調査対象者のデータ分析はある程度進んでおり、分析を終えた部分についての研究成果の報告は済んでいる。今後、データの分析を進め、さらなる研究成果の報告および、論文投稿を行う予定である。また、分析結果を基に、自然災害に対応した養護教諭の心的疲弊を防ぐ研修プログラムを開発し、それを活用した研修会の開催を予定している。
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Causes of Carryover |
インタビューの遅延により、インタビューデータの分析が予定より遅れ、プログラム開発が完成に至らなかった、そのため、研究成果である研修プログラムを使用しての研修会の開催に至らなかった。そのため、当初予定より、支出が少額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、インタビューデータの分析をさらに進め、その研究成果に基づく研修プログラムの開発を目指し、研修会を開催する予定である。また、研修会にて、プログラムについての評価を行う予定である。研修プログラムの開発及び研修会開催にかかる支出が見込まれており、当初の計画通り、支出を行う予定である。
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