2013 Fiscal Year Research-status Report
震災復興と雇用創出に果たすNPO・社会的企業と行政との連携・協働
Project/Area Number |
25518003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
田中 敬文 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50236600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 明 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40334643)
樽見 弘紀 北海学園大学, 法学部, 教授 (50316238)
西出 優子 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60451506)
山内 直人 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NPO / 社会的企業 / 東日本大震災 / 新しい公共 / 共助 / 雇用創出 / ニューオーリンズ |
Research Abstract |
本研究の目的は、このたびの東日本大震災からの復興と雇用創出に果たすNPO (民間非営利組織)・社会的企業の役割について、行政や企業と連携した「新しい公共」の担い手の観点から考察し、現地(宮城県・岩手県)の復興と雇用創出に直接貢献することにある。平成25年度は、1.雇用創出型のNPO・社会的企業に関する文献調査、2.国内事例調査(宮城県)、3.海外事例調査(ニューオリンズ)、4.学会報告、5.招待講演等を実施した。このうち、2では、東松島市の復興を支援するNPO法人東松島まちづくり応援団を訪問して、代表者から復興の現状と生活再建におけるNPOの役割や今後の再建計画、東松島市沿岸部から内陸部の復興住宅への移転の課題などを聞き取り調査した。3では、ハリケーン・カトリーナ(2006年)からの復興に貢献するNPOであるRebuilding Together New Orleans(RTNO、アメリカ)を訪問して、キャサリーン・クローウェル(プログラム・マネージャー)から、ボランティアによる住宅再建や復興支援の現状、連邦政府から助成等の活動資金源等について聞き取りを行った。以上により、災害からの復興と雇用創出に果たすNPOの現状と課題を探るとともに、研究成果の一部を、国際NPO学会(ISTR)第8回アジア大会(韓国ソウル)と日本NPO学会第16回年次大会(関西大学)で報告した。NPO学会大会では、パネル「震災からの復興とNPO政策: 「新しい公共」「共助」政策の検証・総括」を設け、NPO法人杜の伝言板ゆるる(宮城県)代表理事らのパネリストから、「新しい公共」政策が被災地のNPO活動に及ぼした影響や、緊急雇用創出事業が被災地の雇用創出に与えた効果等を検証した。5.では、日本の社会的企業の現状について、社会的企業国際会議(台湾)で講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では、震災被災地における雇用創出型のNPO法人に対してアンケート調査を実施することとしていたが、調査は実施しなかった。その理由は、調査の立案中に現地の一部のNPOから研究者による「調査迷惑」が指摘されたことによる。そこで、代わりに徹底して現地調査を行うこととしたが、ひとつの団体しか訪問調査をすることができなかった。雇用創出型のNPO法人を複数訪問しなければ、雇用創出に果たす役割を比較・検討することができないため、やや厳しい評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、東日本大震災からの復興と雇用創出に果たすNPO・社会的企業の役割を引き続き調査研究するため、1.文献調査、2.国内事例調査、3.理論・実証分析、4.学会発表等を実施したい。このうち2.では、アンケート調査が困難な中、被災地の雇用創出に果たすNPO・社会的企業を精力的に訪問調査したい。今のところ、岩手県釜石市と遠野市、宮城県仙台市等の複数の団体が候補である。3.では、NPOにおける賃金等雇用の課題とNPOの財政規模について分析し、雇用創出を目指すNPOの特徴を抉り出したい。4.では、調査研究成果を日本NPO学会大会(武蔵大学)等の学会で報告したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実地訪問調査の訪問先が平成25年度研究計画より少なかったこと等のため。 東北地域のNPO・社会的企業は立地上拡散しているため、実地訪問調査を効率的に実施する予定である。
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Research Products
(18 results)