2014 Fiscal Year Research-status Report
震災復興と雇用創出に果たすNPO・社会的企業と行政との連携・協働
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25518003
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
田中 敬文 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50236600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 明 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40334643)
樽見 弘紀 北海学園大学, 法学部, 教授 (50316238)
西出 優子 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60451506)
山内 直人 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NPO / 社会的企業 / 雇用創出 / 災害からの復興 / 新しい公共 / 共助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、このたびの東日本大震災からの復興と雇用創出に果たすNPO (民間非営利組織)・社会的企業の役割について、行政や企業と連携した「新しい公共」の担い手の観点から考察し、現地(宮城県・岩手県)の復興と雇用創出に直接貢献することにある。平成26年度は、1.雇用創出型のNPO・社会的企業に関する文献調査、2.国内事例調査(宮城県)、3.学会報告、等を実施した。このうち、2では、福島県・宮城県・岩手県におけるNPO・社会的企業による復興支援の現状を把握するため、NPO法人うつくしまNPOネットワーク、あすと長町仮設住宅(仙台市)、東松島市役所、一般社団法人みらいサポート石巻、特定非営利活動法人いわて連携復興センター等を訪問して、各県・市における住宅・生活再建に果たすNPO・社会的企業の役割について聴き取り調査を行った。以上により、災害からの復興と雇用創出に果たすNPO・社会的企業の現状と課題を探るとともに、研究成果の一部を、第3回アジア社会的企業国際会議(3th International Conference on Social Enterprise in Asia, ICSEA、韓国ソウル)で報告するとともに、日本NPO学会第17回年次大会(武蔵大学)では、パネル「復興支援の現状と中長期的課題: 住宅・生活再建等に果たすNPOの役割」を設け、いわて連携復興センター・菊池広人理事らのパネリストとともに、住宅・生活再建に果たすNPOの役割に焦点を合わせ、仮設住宅から復興公営住宅・再建自宅へとスムーズに移行するためにNPOの果たすべき役割について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、震災被災地における雇用創出型のNPO法人に対してアンケート調査を実施することとしていたが、調査は実施しなかった。その理由は、25年度報告書でも述べたとおり、現地の一部のNPOから研究者による「調査迷惑」が指摘されたことによる。そこで、代わりに徹底して現地調査を行うこととし、NPO法人うつくしまNPOネットワーク、あすと長町仮設住宅(仙台市)、東松島市役所、一般社団法人みらいサポート石巻、特定非営利活動法人いわて連携復興センター等を訪問して、各県・市における住宅・生活再建に果たすNPO・社会的企業の役割について聴き取り調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、本研究の最終年度に当たり、東日本大震災からの復興と雇用創出に果たすNPO・社会的企業の役割を引き続き調査研究するため、1.文献調査、2.国内事例調査、3.理論・実証分析、4.学会発表等を実施したい。このうち2.では、アンケート調査が困難な中、被災地の雇用創出に果たすNPO・社会的企業を精力的に訪問調査したい。今のところ、福島県二本松市、岩手県釜石市と遠野市等の複数の団体が候補である。3.では、NPOにおける生活再建の課題とNPOの財政規模について分析し、雇用創出を目指すNPOの特徴を抉り出したい。4.では、調査研究成果を、第5回国際社会的企業学会(5th EMES International Research Conference on Social Enterprise、6/29-7/3、フィンランド・ヘルシンキ)、日本NPO学会大会(2016年3月、同志社大学)等の学会で報告したい。
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Causes of Carryover |
現地の一部のNPOから研究者による「調査迷惑」が指摘されたことにより、震災被災地における雇用創出型のNPO法人に対するアンケート調査を実施しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合わせて、被災地の雇用創出に果たすNPO・社会的企業への精力的に訪問調査と、調査研究成果の国際学会・国内学会での発表等に宛てたい。
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Research Products
(11 results)