2013 Fiscal Year Research-status Report
電気事業体制のガバナンス評価と指標構築、我が国電気産業への適用
Project/Area Number |
25518006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長山 浩章 京都大学, 国際交流推進機構, 教授 (90446617)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電力セクター / ガバナンス |
Research Abstract |
本年度の研究は、世界各国での電力セクター改革の流れとその得失を議論しつつ、2013年4月2日に閣議決定された電力システム改革方針も踏まえ、今後の我が国電気産業の検討課題をガバナンスの点を中心に整理した。我が国が取り組むべき第1の問題は、長期の電力供給体制とベストミックスである。容量市場確保でこれらが担保されるかどうかが問題である。2つ目は再生可能エネルギーをどのように取り込むかという問題である。特にドイツでは、原子力発電を中心に再生可能エネルギーを大量に導入したものの、固定価格買い取り制度、設置助成金のような直接的助成の他に、系統を安定化させるための送配電線投資、火力発電所の収益性低下とこれに対応する助成措置など間接的なコストの問題も顕在化してきた。第3に、原子力発電の今後について、自由化された市場での位置づけの問題がある。 こうした点に対応しつつ、我が国電力セクターにおいてはガバナンス構造を確保しなければならない。ガバナンスの定義は透明性のある効率的かつ公平・中立な供給体制を確立することである。 さらに、今後、売り上げが縮小する国内市場から成長著しい海外市場に投資し、その利益を国内に還流するといった統合的戦略の構築が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会等での発表の機会を活用して、情報の整理を行った。今年度は海外出張を含め広範な情報を入手していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究予定としては、 2016年に開始が予定されている電力小売り自由化を契機に、需要家が選択肢を持つことになるため、企業ごとの相互乗り入れが始まった段階では、いくつかの企業グループごとに再編が行われたほうがよいのかの検討を計量的な手法を用いて行いたい。 また電力セクター改革の進度にあわせた国際連系について検討をしたい。長期的には、日韓との国際連系と卸市場の相互乗り入れにより西日本地域の安定を図るべきである。さらにロシアからのガスパイプラインの敷設を契機に国内ガス市場の開放と発電分野での競争促進を図るべきである。 このため国内外への出張を行い情報を入手していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、本務校の業務等のため、海外での情報収集にいくことができなかったため。 次年度は、予定どおり海外での情報収集により質の高い情報を入手したい。
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Research Products
(2 results)