2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25540018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 宏 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (20212102)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コンピューティング / 実行モデル / アーキテクチャ / 低消費電力化 |
Outline of Annual Research Achievements |
データ移動と処理のタイミング、およびデータの物理的な場所を陽に制御する新しい実行モデルも用いることによって、コンピューティングの飛躍的な高性能化と低消費電力化を目指す研究を実施した。 タイミングに関しては、温度や湿度などの環境を測定し集約するセンサネットワークシステムを対象とし、環境データの圧縮によりセンサからの送信回数を削減できる場合に、通信が一定時間内に終了することを保証しつつセンサと中継ノード間の送受信タイミング、すなわちデータ移動のタイミングを最適化する手法を検討した。従来は全てのセンサから送信があることを仮定し、その場合でも確実に受信できるようにノード側の受信待機時間を設定していた。提案手法は、データ圧縮率が高い場合には受信ノード側の受信待機時間を減らすことで、たとえ転送が衝突しても再送信する方が低消費電力化が図れるという着眼に基づくものである。衝突確率で消費電力をモデル化し、提案手法の低電力化効果を確認した。 また、データの場所については、3次元集積技術などによりキャッシュメモリが大容量化される場合に、データ自身はキャッシュメモリに配置可能だが、当該データにアクセスするためのアドレス変換表がキャッシュメモリから追い出され、大きな性能低下と電力増加を引き起こす問題を検討した。この問題に対し、データ自身とアドレス変換の管理単位の大きさが異なり、アクセス時の時間的再利用性が異なるという着眼に基づき、アドレス変換表の配置位置をデータの配置位置とは独立に決定する手法を検討した。具体的には、初期参照時と、再参照時の配置位置を、アドレス変換表とデータとで変更するものである。評価によりアドレス変換表がキャッシュメモリから追い出される確率を低減でき、提案手法が有効であることを確認した。
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