2013 Fiscal Year Research-status Report
秘密情報の秘匿性と製造検査容易性の両立をはかるLSI設計手法の研究
Project/Area Number |
25540020
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 正義 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (90452820)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 製造検査 / 情報漏洩 / 情報量 |
Research Abstract |
本研究の目的は、LSI の設計情報が漏洩したとしても、秘密情報が搭載されたLSI に対して、LSIの内部に格納された秘密情報を秘匿しつつ、LSI の内部に製造時に故障が発生していないかを容易に検査できる設計技術を開発することである。従来、LSI の設計を工夫し、その設計情報を秘匿することによって、LSI に搭載された安全性は保たれていた。しかしLSI の設計情報はLSI の設計に携わる多数の人が知りうる情報であり、秘匿することは困難である。そこで本研究はLSI の設計情報に依存せずに安全性を保つ設計手法および設計支援技術を開発する。本研究で開発する技術は、1. 製造検査用の入力系列、2. 入力系列と秘密情報に基いて動作させた回路応答の選択、3. 選択された回路応答の圧縮方法である。 平成25年度は、1. 製造検査用の入力系列、2. 入力系列と秘密情報に基いて動作させた回路応答の選択について研究を行った。 製造検査用の入力系列の生成方法については、組み込み式テスト生成方法について、検討を行い、設計者が少ないデータ量で多数の検査系列を生成する手法を開発した。この手法により、設計者が意図した検査系列のみでの製造検査で十分な故障検出率を得ることが可能になる。 入力系列と秘密情報に基いて動作させた回路応答の選択については、秘密情報を含む情報からの秘密情報の抽出に関する手法を開発した。この手法により、秘密情報そのものではなく、設計情報、入力系列と秘密情報に関する情報量に応じた秘密情報を抽出できることを示した。つまり、設計情報が漏洩した場合、秘密情報に関する情報は、その情報量に応じて、秘密情報が流出する。 これらの成果に基づいて、平成26年度は設計情報が漏洩したとしても、秘密情報を秘匿しつつ、LSI内の故障を検査できる設計技術を開発する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね、当初の計画通りに進展している。ただし検査系列の生成技術に関しては、一部遅延が見受けられる。これは検査系列生成用のソフトウェアの開発が遅れたためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
遅延が見受けられるソフトウェアの開発に注力する。開発用に新規に計算機を導入し、開発を加速する。
|