2013 Fiscal Year Research-status Report
不揮発性メモリによるソフトウェアへの影響と対策に関する研究
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25540028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
佐藤 一郎 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 教授 (80282896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不揮発性メモリ / データベース / 永続性 |
Research Abstract |
不揮発性メモリ技術が急速に進んでおり、不揮発性メモリを主記憶とするコンピュータの登場も想定されるようになっている。主記憶の不揮発性化による、ソフトウェア、特にOSやミドルウェアにも及ぶ変化を調査していく。本研究では、トランザクションの一般的な実現方法やアルゴリズムを前提に、その影響を調査するとともに、不揮発性メモリを前提としたトランザクション技術の要件や基本アルゴリズムを提示していくが、平成25年度はデータベース、特にトランザクションを中心に不揮発性メモリを導入した場合の影響を調べていく。その結果、データベースの特性として知られるACID性質のうち、D、つまり永続性は不揮発性主記憶にデータを保持するだけでよくなり、大幅に簡素化されることがわかった。また、トランザクション制御として、2相ロック手法とマルチバージョン並行制御(MultipleVersionConcurrencyControl,MVCC)手法を比較して、不揮発性メモリにおいては後者が向いていることが明らかになった。なお、MVCCは各バージョンの永続化、つまり二次記憶への書き出しコスト及び、書き出したバージョンの発見コストが問題となり、既存DBMSでは補完的に利用されることが多かった。この背景は二次記憶への書き出しコストであり、不揮発性メモリにより、その書き出しをしなくても永続化されることは性能化以前において大きな意味をもつと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進んでいる。得られた結果は当初の仮説と通りであるが、一部は予定よりも不揮発性メモリの影響が大きいことがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度のデータベースにおける、不揮発性メモリの影響への調査結果をいかしながら、OSにおける影響を調査していく。具体的には主記憶と二次記憶の統一的な取り扱い手法調査。不揮発性メモリを主記憶として利用することにより、情報の永続化という機能からみると主記憶と、ハードディスクなどの二次記憶との差異はなくなることから、それによるOSの簡素化が可能か、性能が向上するかなどが調査項目となる。続いて不揮発性メモリを前提にした電力切断時のデータ保持手法調査を行う予定である。不揮発性メモリを利用すると、電源切断時も情報は保持されるが、OSはそれを想定したデータ構造が必要となる。既存OSの対応範囲を、ソースコードを調べることで明らかにするとともに、不揮発化ができないデータについてはその改善方法を提案していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算執行において、当初予定していた経費と差(103円分)が生じた。これは旅費(航空券)が想定より安くなったため。 平成26年度予算において当該分を使用する。
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Research Products
(1 results)