2013 Fiscal Year Research-status Report
考古学的アプローチによる埋没ビックデータの再センシング基盤技術
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25540038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
横山 昌平 静岡大学, 情報学研究科, 講師 (20443236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 博 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (60326014)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 月震 / リモートセンシング / ビッグデータ |
Research Abstract |
月震データの全量解析を目指したデータベースを構築した。Hadoopからの分散処理に適した列指向データとして格納し、ユーザとのクイックなインタラクション処理を実現した。開発したシステムはWebブラウザによるインタフェースを持ち、特殊な知識なくとも利用が可能である。これは本研究計画の重要な課題であり、複雑かつ最新の分散処理システムを、ITの知識無しに扱える事を目指した設計である。本研究はコンピュータサイエンスを専門とした研究代表者・分担者が、研究の遂行を行うが、宇宙科学分野の専門家の連携研究者に使ってもらう事が、最初の目標であり、達成した。 具体的な成果としては、月地震データの分類研究を促進するため、波形の類似性を考慮した月地震データの可視化システムを実装した。本システムでは、月地震データを2次元空間上へマッピングするため、階層型Self-Organizing Map(GHSOM) を用いた。また、システムのバックエンドにHadoop およびSpark を用いることにより、膨大な量の月地震データの処理に対応した。 システムの適用例として、一部の深発月震の震源分類について、考察を行った。可視化結果より、複数の震源において、他の震源と異なる性質を持つ波形が多いことや、サブクラスに分割できる可能性があることを示した。これらにより、機械的な分類結果との比較を円滑に行うことができるという点において、本システムが、人手による月地震分類結果の検証や、未分類とされている月地震の分類を行っていく上で、有効であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
月地震の解析に関して、十分な精度を達成できうるシステムの開発が完了した。特に、研究計画段階では想定していなかった月地震分類の偏った混在に対しても、階層的SOMを用いて、ドリルダウンしつつクラスタリングを行う手法により、効果的な成果を得られた。複数の対外発表も行った。特に分野横断的な萌芽研究して、コンピュータサイエンス分野だけでなく、宇宙科学分野の研究会にも参加し発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は月震のデータの処理のみに注力したが、最終年度においてはデータの一般化をめざし、死蔵されたビッグデータを処理するための汎用基盤技術の実現を目指す。またこの分野を含めた科学データを扱う分野では、ビッグデータを扱うものの、実際に人が目で見て判断する事が重要視されている、そこで本課題では、埋没ビッグデータの効果的な可視化方法論を研究する。
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