2013 Fiscal Year Research-status Report
シミュレーション・キャッシングによるユビキタスな対話的シミュレーション環境の構築
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25540043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
森 眞一郎 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20243058)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ユビキタス・コンピューティング / 対話的シミュレーション / ハイパフォーマンス・コンピューティング / 超高速情報処理 / キャッシング / 通信遅延隠蔽 / マルチユーザ・インタラクション / サイバー・フィジカル・システム |
Research Abstract |
[WebGL を用いたシミュレーション・インタフェースの構築] 我々が開発したHTML5 のWebGL 技術ならびにWebSocket 技術を利用したWebベースのシミュレーション・インタフェースを改良し,計算サーバ上のシミュレーションに対して携帯端末からWeb サーバを介してステアリングを行う環境を構築した.また,実行中のシミュレーションに対して,複数のユーザがステアリングを可能にするためのマルチユーザ・インタフェースの検討を行う.さらに,複数の携帯端末を用いて仮想的な高精細モニタを実現するタイルドディスプレイのプロトタイプシステムを構築した. [サイバーフィジカルシステムとの連携に関する検討] 携帯端末上の多種のセンサ情報をシミュレーションに反映させるデータ同化の可能性について検討を行うため、まずは可搬型のセンサネットワークを用いたデータ収集システムの検討を行った.また,行政機関が発信するオープンデータの活用についても検討を行った. [多地点からの同時ステアリングに関する研究] 従来のシミュレーションキャッシングの概念を拡張し多地点からの同時ステアリングに対応可能なサーバ間連携モデルの検討を行う.平成25 年度は,一人のユーザのシミュレーションステアリングを複数人のユーザがモニタを行うSingle Operator Multiple Monitor(SOMM)モデル,ならびに,複数のユーザが交互にステアリングを行う等,操作者間の直接的な相互干渉が十分に少ない状態で同時ステアリングを行う疎干渉なMultiple Operator Multiple Monitor(MOMM)モデルに対するモデル拡張を行った.さらに,SOMMモデルに対して,WebGLベースのシミュレーション・キャッシングシステムを拡張し緩い一貫性制御に基づくプロトタイプシステムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[WebGLを用いたシミュレーション・インタフェースの構築] 複数の携帯端末を用いて仮想的な高精細モニタを実現するWebGLベースのタイルドディスプレイ、ならびに、これらの端末からのステアリング情報を遠隔地のシミュレータに伝達するためのWebsocketベースの双方向通信インタフェースのプロトタイプシステムが構築できている. [サイバーフィジカルシステムとの連携に関する検討] サイバーフィジカルシステムとの連携に関しては、現時点では市販の携帯端末から得られるセンサ情報をそのままシミュレーションの入力として使用できるケースが少ないため、可搬型のセンサデバイスからWebsocketを用いて上述のシミュレーションインタフェースにデータ入力する方法の検討を行った.地図データを基にした境界条件の設定に関しては検討を行ったものの未実装であるため今後の課題である. [多地点からの同時ステアリングに関する研究] 操作者間の直接的な相互干渉が十分に少ない状態で同時ステアリングを行う疎干渉なMultiple Operator Multiple Monitor(MOMM)モデルでの同時ステアリングが既に実現できている.ただし,通信遅延が大きい場合の時刻精度には課題が残っておりH26年度に解決策を検討する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
[複数端末で1 クライアントを実装する際の端末透過性の実現] 固定の機器を複数台連携する場合と異なり,複数の携帯端末をオンデマンドで連携させ1つの仮想操作端末を構成する場合,使用する機器の組み合わせや配置が利用の度に変わることが想定される.そこで,Web ベースのシミュレーションインタフェースにオンデマンドな端末連携のための半自動インタフェースを実装する. [携帯端末上での簡易シミュレーション手法の検討] シミュレーションキャッシングにおける簡易シミュレーションを携帯端末でも行うことの妥当性を検討する.具体的には,OpenGL ES を用いたGPU アクセラレーション, WebCL あるいはWebWorker 技術を用いた携帯端末上でのマルチコア並列処理,さらには,複数の携帯端末を連携させた並列実行の実用性について検討を行う. [シミュレーション・キャッシングの多階層化に関する研究] シミュレーションステアリング端末としての携帯端末上での簡易シミュレーションの可能性検証と並行して,ローカルサーバ上のシミュレーションをさらにステアリング端末にキャッシングを行う多階層化の方式を検討しその有効性を検証する.また,この際の一貫性制御法についても検討を行う. [一貫性制御法(精度補償法)に関する研究] 平成25年度に検討を行ったMOMM モデルの特殊形に対して一貫性制御をシステムに実装しその評価を行う.さらに,MOMM モデルの一般形について実装可能な複数の一貫性制御モデルを検討し,その内の一つについて予備実装を行う. [シミュレーション結果の実時間情報圧縮に関する研究] 時系列シミュレーション結果の時間・空間連続性とローカルサーバで行っている簡易シミュレーションの結果,さらには操作端末での情報提示に必要な解像度を考慮した時系列シミュレーションデータの実時間圧縮/展開法に関する研究を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
公衆回線を利用した実環境での通信実験の結果、2013年度内に回線増強するよりも2014年度に増強するほうがよい実験結果が得られることが判明したため。 2014年度の予算執行が可能となった段階で、できるかぎり速やかに執行の予定である。
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