2013 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータ時代の環境可視化 -半構造映像データの抽象化階層表示
Project/Area Number |
25540045
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤代 一成 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00181347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茅 暁陽 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (20283195)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ビッグデータ / 環境可視化 / 半構造映像データ / 抽象化階層 / 人称変換 / パブリックディスプレイ |
Research Abstract |
本研究では,ビッグデータ時代の実社会で日夜生成され続けている静止画・動画データに隠れている構造情報に着目し,その抽象化階層を入れ子グラフ構造に変換する.そして,オーディエンスの視線や各種情動の変化を無意識的に捉え,そのレイヤを上下移動する人称変換の適応的制御を主軸とする環境可視化システムをラピッドプロトタイピングする.この階層的映像ブラウジングを利用すれば,デジタルサイネージ前やSNS越しにいるオーディエンスに対しても,的確に自身の環境を把握し,即時に効果的な行動を起こせるような支援環境を実現することができると考えられる. 初年度に実施した研究内容の概要は以下の通りである. 1) 定められた対象世界の映像コンテンツ間の関係を求め,組織的に対象世界の特徴を要約し,効率的かつ効果的にコンテンツをブラウジングする手法やシステム開発に関連する国内外の先端的な研究事例について詳細に調査し,その結果を,台湾-日本情報可視化グラフ描画ワークショップの招待講演として発表した. 2) 1)の内容に基づいて,目的とする環境可視化システムの基本設計を実施した.そのパイロットシステムと静止画による仮想都市景観ブラウジングへの応用評価に関する予備的成果を,Visual Computing 2013シンポジウムでポスタ発表(査読付)した. 3) 2)と並行して,オーディエンスの視線の動きやジェスチャを深度付カメラを利用して無意識的に計測し,映像コンテンツに対するオーディエンスの情動をリアルタイム推定する基本機能を開発した.さらに,その基本機能を利用して,パブリックディスプレイにおけるコンテンツの見えを部分的に人称変換するパイロットスタディを実施した.これらの初期的成果は,Cyberworlds2013国際会議でのフルペーパー(査読付)及びACM SAP2013国際会議でのポスタ(査読付)として発表した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画に記載した流れにそって,関連研究調査及びパイロットシステム開発を進められてきた.関連調査の成果については,国際会議において招待講演する機会には恵まれたが,当初の予定どおり国内学術誌へのサーベイ論文として刊行できれば目標を達成できる.一方,システム開発に関しては,その基本要素となる半構造映像ブラウジング機能と適応的人称変換について,個々の実装は完了しているものの,両者の統合化レベルがまだ弱く,また応用評価についても限定的である.この点は次年度の主要な開発課題として加えたい.
|
Strategy for Future Research Activity |
以下の3点に注力して最終年度の研究を推進していく. 1) 初年度の関連研究調査において,環境可視化と関連の深いパブリックディスプレイ技術に近年特に注目が集まっていることがわかった.次年度も調査を鋭意継続し,最新のサーベイ論文として取り纏め,国内学術誌に投稿する. 2) 映像間の意味階層を反映した半構造ブラウジング機能と非接触計測によるオーディエンスの情動推定に基づく適応的人称変換機能を統合し,最新の環境可視化環境を実現する. 3) 2)の適用事例を実応用に求め,その実地的評価を行う.候補としては,実世界の地理情報システムや人間関係の相関,ゲームブラウジング等が考えられる.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ノートPC2台の購入費が予定額を下回ったため. 最終年度に開発する統合環境を搭載する予定のPCのスペックアップに役立てる.
|
Research Products
(8 results)