2014 Fiscal Year Research-status Report
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25540047
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 剛 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (60404802)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 暗号・認証等 / 公開鍵暗号 / 楕円曲線暗号 / 離散対数問題 / グレブナ基底 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、楕円曲線暗号に対する新たな攻撃法として、有限体上の多変数多項式の求解問題の解法アルゴリズムを考察している。この問題の難しさは、変数の個数n、多項式の個数m、有限体の位数qなどにより変化する。我々は、PQCrypto2013において、変数の個数nと方程式の個数mが関係式n≧m(m+3)/2を満たし、更に有限体の標数が偶数の場合に、多項式時間で動作する効率的なアルゴリズムを提案した。今年度は、この方式の適用範囲を拡大し、標数が奇数である場合でも検索法の多層木構造化により、多項式時間で解くことが可能なアルゴリズムを構築した。本成果は、2014年10月にトロントで開催された国際会議PQCrypto2014において発表した。また、昨年度までに研究会や国際会議で発表した論文4編をジャーナル論文化した(電子情報通信学会英文論文誌2編、情報処理学会論文誌など)。特に、国際会議IWSEC 2013において発表した楕円曲線暗号のFPPR攻撃に対する安全評価の論文は、大規模な計算機実験により安全性解析を詳細に考察したFull Paperとして、Pacific Journal of Mathematics for Industryにおいて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、査読付き国際会議1編(PQCrypto 2014)に加えて、昨年度の成果をジャーナル論文誌に4編(電子情報通信学会英文論文誌2編、情報処理学会論文誌、Pacific Journal of Mathematics for Industry)掲載することができ、当初の計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
楕円曲線暗号に対する多変数多項式を用いたFPPR攻撃法の安全性評価の研究を継続する。特に、FPPR法の計算量と使用メモリ量を削減する手法を考察する予定である。攻撃で利用する高次のSemaev多項式は、大量のメモリを必要とするために計算が容易ではない。今後は、高次のSemaev多項式を低次の多変数多項式の終結式として表現する高速化法を検討する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、当初に予定していた国際会議への参加発表を行わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27度は本研究課題の最終年度であり、研究成果を研究会や国際会議において発表する予定をしている。また、多変数多項式の効率的な解法を専門とする研究者を海外から招聘する予定である。
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Research Products
(9 results)