2013 Fiscal Year Research-status Report
ポイント論理・オープン論理を用いたアリの道標創発に関する実験と理論
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25540059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
郡司 幸夫 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40192570)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナビゲーション / 順序集合 / 束 / クロオオアリ / 道標 / 因果集合 / 時間 |
Research Abstract |
2次元パターンを目印として道標学習を行うかについて実験すると共に、探索時のアリの移動様式に関するモデルを考案し、実際の歩行実験結果との比較を行っている。学習に関しては、時間的「または」を空間的「かつ」に置き換える傾向が見出されつつあるが、研究続行中である。移動様式に関しては、過去の履歴に応じて移動方向の確率を調整するモデルにより、レビフライトが実現されるという結果を得、現実のアリでも同様の結果がみられることを確認している。 また道標学習のモデルを構築し、局所的道標の貼りあわせとして形成される探索システムを構築し、そのようなシステムが、餌を発見するまでの時間に比べ、極めて短時間で巣へ戻ってくることができることを示した。 さらに道標の分布を順序集合としてその上の論理をポイント論理として定義し、道標の意味をロケールとして定義し、それ上の論理をオープン論理で定義するとき、両者の齟齬を局所的に解消するとき、道標順序集合自体が、分配束へ漸近することを示し得た。 同じモデルが時間論においてそのまま使用できることが判明し、因果集合との関係においてポイント論理とオープン論理の齟齬の解消が、因果的時間の構造を分配束へ収束させることも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、道標を用いた論理的モデルのみを構築し、クロオオアリの実験と比較・評価する予定であったが、道標の貼りあわせに関するモデルや、探索それ自体のモデルの構築、発展が進み、かつProceeding of Royal Society, InterfaceやPlos Oneなど高いインパクトファクターを有する国際雑誌に掲載された。 またこの研究に関する発表で韓国に招待され、研究者を前にした講演と一般講演をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
アリの餌探索と帰巣に関して、現在のモデルを発展させるとともに、局所的地図の貼り合わせがもたらす限界と意味が明確になるよう、全体を見通せない迷路状の地理を事件環境としてクロオオアリに与え、モデルの意味を検証し、さらにモデルの精度をあげる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請者の大学異動の予定が年度を越して予定されていたため、アリの実験装置などについて 新たな赴任先で、セットアップをする必要があった。そのため予定して額よりも、セットアップ代の余分な予算を確保しておく必要があった アリの飼育設備や、飼育・給餌に関する電子天秤や、メスシリンダー、電熱器などを購入し、クロオオアリ飼育設備を完成させる
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Research Products
(14 results)