2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25540063
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
富永 昌二 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 研究員 (10103342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 隆彦 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 教授 (30272181)
平井 経太 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 助教 (30583405)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 蛍光分光推定 / ドナルドソン行列 / 蛍光イメージング / 蛍光特性推定 / 蛍光感 |
Outline of Annual Research Achievements |
【1. 2-monochromator法によるDonaldson 行列の計測】蛍光物体の蛍光特性は2次元行列のDonaldson 行列で記述される.これまでこの行列を正確に求めるために,二つのモノクロメータを光源側と観測側に配置した計測系が採用され,計測時間とコスト面で問題があった.本研究では,光源側にモノクロメータを一台のみ用い,観測側に分光放射輝度系を用いるより簡便なシステムを構築した. 【2. 連続2光源によるDonaldson 行列の推定】モノクロメータなしでDonaldson 行列を求める新たな方法を開発した.光吸収と蛍光発光との間に物理モデルを構築し,異なる2光源で照明するとき,総合ラジアンスファクターは蛍光発光成分のみに依存することを示した.これより推定アルゴリズムを開発し,分光反射率,励起スペクトル,発光スペクトルが手軽に推定できることを示した. 【3. bidirectional特性のモデル化】蛍光物体は反射と発光の二つの特性を持つ.この反射・発光の空間強度特性は入射と観測の角度に依存する.昨年度に構築したゴニオ測光システムを用いて,反射・観測角を変えてラジアンスファクターを計測して,特性を記述する数学モデルを検討した.反射特性は表面物体材料に依存し,蛍光発光特性は拡散放射で,強度は入射角度に依存することがわかった. 【4. 蛍光色の見えの解析】 蛍光色と物体色の見えの違い(蛍光感)を視感評価実験に基づいて解析した.モニタ上で蛍光再現色を評価し,実物体の蛍光感知覚の差異を調べた. 黒背景のモニタ上に蛍光パッチを再現した際,黒紙背景の実パッチより蛍光感が下がるが,モニタ上の蛍光パッチの周囲を実物体と同じ紙で覆った場合は,ほぼ同等の蛍光感が得られることが示された.さらに周囲背景の質感が,刺激パッチの蛍光感を向上させる方向に影響していることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画にしたがって,まず 2-monochromator法による高精度計測システムを完成させ,次にスペクトルカメラ,分光放射輝度計,および2光源を用いる新たなシステムを完成させた.アルゴリズムの改善の余地はあるものの,手法の開発と計測は予定通り進めており,研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に研究が推移していることから,当初の計画にしたがって,研究を推進する予定である.
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Causes of Carryover |
蛍光計測の消耗品を購入する予定であったが,仕様に適合するものが見当たらなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
仕様の変更を検討して,蛍光計測の消耗品の購入にあてる.
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