2013 Fiscal Year Research-status Report
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25540070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内田 誠一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (70315125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馮 尭楷 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (60363389)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パターン認識 / 映像解析 / 映像合成 / 時系列処理 / 大規模データ |
Research Abstract |
本研究では、我々人間が持つ想像能力の一側面を工学的に実現する。本研究で言う「想像」は次の例によって説明される。「静止画像Xには、壊れた花瓶の脇にボールが転がっている様子が写っている。このとき、その画像Xに至る過程の動画像を生成せよ」。この想像能力の工学的実現のために、本研究では「大量の事例(動画像)を適切に参照しながら、推定結果としての動画像を最適合成する機構」を実装することを目的としている。 この工学的想像について、平成25年度は主として以下の2項目について研究を実施した。 1.大量の事例動画像の準備:推定のための事例となる大量の動画像を準備した。どのような動画像を収集するかは重要である。当年度は、推定問題を極力単純化するため、単一物体が落下する状況を写した動画像1000枚を撮影した。これら事例を用いて、落下中のナップショット1枚から、その前の動画像の推定実験を行った。事例数の変化による推定結果の影響など、多様な評価実験を行った。 2.大量事例を用いた動画像推定:推定時に参照する事例を如何に選択し、利用するかは、推定結果を左右する重要な点である。本研究では、事例を用いて、入力静止画像に矛盾しないような画像を、事例の「時間的変化」「空間的変化」を分析しながら推定、すなわち合成する。このために,「事例と直前推定結果の融合」「直前推定結果との連続性の担保」の実現法を開発した。この方法として、異なる5種類の方法を実装し、それらの相互比較を行いながら、極力スムーズな推定結果を得るための方法論を模索した。その結果、落下対象の輪郭を用いる方法や、素直にフレーム間差分を用いる方法が安定的であり、画像間非線形マッチングを用いる方法が不安定であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初の計画した内容が全て実施できているため、標記の達成度と評価できる。なお本結果については、国内最大規模の研究会における対外発表も実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画時点から指摘していた通り、1000本の動画像を扱うのは計算量的に膨大であり、現状では最初に最も類似した動画像を1つ選び,その後はその動画像のみを使って推定を行っている.このため大規模事例を活かしきれていない.そこで今後は計算量の問題を解消しながら如何に複数画像を扱うかについて検討する必要がある. またこれも計画時点で予想していたことであるが、与えられた入力画像において見えていない部分(ある物体が写っている入力画像があったとすれば,その物体の裏側)をどう補完するかは、推定結果の見えを大きく左右する問題であり、現状では解決できていない本質的な問題でもある.事例を利用して補完するという方法論を採るのか、見えていないかった部分は想像しようもないとするのか、課題に応じて考え分ける必要あある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度中の検討により,大規模動画像データを同時に扱って工学的想像を実現するためには,現状の枠組のままでは,計算機を数台追加したとしてもすぐに限界に達してしまうことも分かった(いわゆる計算量爆発問題).このため,早急に計算機を追加せずに,原理的な部分を見直している.実際,H25年度中は,予想以上に原理的な部分の展開が多く,それらについて多くの新手法・および業績を残すに至った(学会発表の項を参照.いずれも新規な手法である). H25年度中に原理を開発した手法(動画像等の時系列データの比較手法)群の活用により,計算の効率化と推定精度の向上を図る.その中で,特に効率改善に注力しながら,大量の動画像を扱えるような原理(すなわち計算量爆発を回避できるような原理)を開発する.その見通した付いた時点で,直ちに計算機の購入に利用する予定である.なお必要に応じて国内外のエキスパートに助言を求める予定もしている.
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Research Products
(4 results)