2013 Fiscal Year Research-status Report
能動的結像制御スクリーンによる新しい虚像投影技術の研究
Project/Area Number |
25540079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
圓道 知博 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (70397470)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / 視覚ディスプレイ |
Research Abstract |
遠方に広がる風景をディスプレイ装置で再現する場合、一般には投影式の大画面を用いて視距離を長くとる方法がとられているが、大がかりな設備が必要となる。訓練用フライトシミュレータ等ではCollimated Displayと呼ばれる大型の凹面鏡を用いて投影画像の光学的虚像を得る方式が採用されているが、視域が狭いため利用形態が着座式のシミュレータなどに限定される上、大型の光学系のため設計や調整が難しく高価である、といった問題がある。そこで本研究では投影スクリーン自体の作用で光学的虚像を直接作り出す、新しい投影技術を提案する。提案する投影スクリーンの基本的な構成は凸レンズアレイと拡散スクリーンの組み合わせとなる。プロジェクタから無限遠に焦点を合わせて投影された像はレンズアレイの各レンズによって拡散スクリーン上に結像する。そしてその像点は拡散スクリーンで拡散反射され、同じレンズによって入射方向と逆向きの平行光線となって射出され、無限遠からの物体光を再現する。このようにして虚像が生成される。 25年度は基本原理の確立を目的として、計算機シミュレーションと実際に光学系を用いた実験を実施した。実験ではレンズアレイを用いる代わりに電動XYステージを用いて単レンズの位置を順次変化させながら撮影し、それらを合成することで再現画像を生成し、提案方式の基本原理を実証すると共に、レンズパラメータと得られる像との関係についての知見を得た。さらに、辺縁のレンズに生じる像のボケの主因が像面湾曲収差であることを突き止め、これを考慮してレンズとスクリーンとの距離を制御する改善法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電動XYステージを用いた実証実験で提案法の基本原理が確認され、さらに計算機シミュレーションによって像面湾曲収差の影響の検討とその対策ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
画質の改善と視域の拡大方法の検討を行い、レンズアレイを用いた試作と評価を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度にレンズアレイを作成する際に多額の費用が見込まれるため、本年度は計算機シミュレーションを活用し実験の一部を代替することなどで、支出の抑制に努めたため。また必要となった実験用機材等の一部を他経費でまかなうことが出来たため。 特注レンズアレイ製作を含めた光学系の開発と評価、海外での成果発表を行う。
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