2014 Fiscal Year Research-status Report
滑らかな運動視差を実現可能なアーク3D表示用アクティブデバイスの研究
Project/Area Number |
25540087
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
陶山 史朗 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70457331)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | アーク3D / 液晶 / 液晶プリズム / 方向性散乱 / 3D表示 / 立体表示 / 屈折率異方性 / 二周波液晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
「滑らかな運動視差を実現可能なアーク3D表示用アクティブデバイスの研究」は,アーク3D表示を,電子的に屈折率を制御可能な液晶を用いたアクティブデバイスで構成することにより,アーク3D表示の電子的な制御を目指している. 1.アーク3D表示の視域特性を明らかにするため,プリズム先端の突起構造のような方向性散乱源の強度分布と広がりを詳細に把握することを目指している.レーザー光をプリズムなどの先端部分に当てて,その強度分布とその広がりを評価できる光学系を構築し,プリズム等に対する方向性散乱特性の基礎的把握を行った.その結果,先端部分の形状の影響を強く受けることを示唆する散乱特性を得ることができている. 2.アーク3D表示の電子的な制御を可能とするため,電子的に制御可能な突起部を有する液晶プリズムの製作方法を確立し,散乱制御の可能性を探索している.液晶プリズムは,レプリカ法により形成したUV硬化樹脂のプリズム構造に液晶を充填して透明導電膜で挟んだ構成よりなる.透明導電膜に十分な電圧を印加し,かつその周波数も制御することにより,方向性散乱をON/OFF制御できる可能性を見出した.すなわち,印加電圧とその周波数により,液晶プリズム先端の方向性散乱を制御できると考えられる. 3.アーク3D表示の方向性散乱の方向性制御などの可能性を探るため,プリズム先端の形状が方向性散乱に及ぼす影響について評価を行っている.プリズム構造の先端の曲率と形状により,どのような方向性散乱が起きるかという課題に対して,幾何学的な検討を加え,明らかに先端形状により,方向性散乱をコントロールできる可能性を明らかにした. 以上,「滑らかな運動視差を実現可能なアーク3D表示用アクティブデバイスの研究」は,おおむね計画通りに進んでいる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したように,1~3の3つの研究項目にそって,申請書に記載した当初の計画にほぼ匹敵する進捗状態となっている.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在,本研究は順調に推移している状況であり,最終年度である27年度には,散乱制御を簡単に行える方法の探求,および強度分布と液晶プリズムの先端形状との関係を探求していくことを目指す.このため,先端形状を制御する必要性や液晶の種類の探求などにより,これらの課題を解決していく予定である.
|
Causes of Carryover |
アーク3D表示を電子的に制御できる液晶デバイスの製作とその制御に関して,目下取り組んでいるところであり,「今後の推進方策」に記載したように,最終年度である27年度に液晶デバイスの各種パラメータや印加電圧,周波数を制御する必要があるため,その製作や制御に費用を要すること(但し,消耗品相当分,役務など)が予想されるため,26年度までは最低限の物品購入で済ませたため,次年度使用額が生じている.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度においては,上記したように,液晶デバイスの各種パラメータや印加電圧,周波数を制御する必要がある事から,多くの光学部品,加工役務や金型,駆動用電源などを購入する予定である.また,各種パラメータなどの制御による複数の成果が期待できることから,成果発表をその都度行っていく予定である.
|
Research Products
(39 results)