2013 Fiscal Year Research-status Report
局所的コミュニケーションから生じる階層的進化ダイナミクスの歪みの解析
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25540103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
染谷 博司 東海大学, 情報理工学部, 講師 (00333518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 泰昌 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), 電気生理学研究室, 室長 (80160688)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 確率的ダイナミクス解析 |
Research Abstract |
申請課題「局所的コミュニケーションから生じる階層的進化ダイナミクスの歪みの解析」では,大規模集団が局所的小集団を部分集団として内包するとき,小集団内の構成要素間コミュニケーションにおける相互作用が大規模集団全体に次第に伝搬し,大規模集団全体に及ぼす影響を数理システム論的に解析する.申請時までの調査において,今後の課題として次のことが挙げられていた.調査項目1:多変量分布の歪みを三次統計量として定量化し, その性質を調査,調査項目2:小集団内における相互作用の大規模集団全体への伝搬効果を調査,調査項目3:相互作用の強度や方向性の違いに起因する進化的ダイナミクスの変化を調査,調査項目4:脳のアストロサイトネットワークをモデル化し実測データとの整合性を調査. 平成25年度は,研究代表者・染谷は,調査項目1と調査項目2に関して調査を補強し,進展した成果を公表するに至った.具体的には,パラメータ値により三次統計量の大きさを連続的に変化させることができる状態遷移の確率密度分布関数を新たに導入し,さまざまなパラメータ値のもとで,小集団内における局所的コミュニケーションが大規模集団全体に対してどのような伝搬効果をもたらすかを調査した.また,研究分担者・岡田は,通常のラットより作成した脳幹脊髄標本の延髄断面にカルシウムイメージング法を応用し,多数のニューロンとアストロサイトの活動を同時に計測し,アストロサイトが呼吸に同期した活動を呈することの証明を試みており,調査項目4に関する準備として,in vivoマウスでの神経生理学的実験を始めとした実測データの取得をすすめている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書にて,調査項目1と調査項目2に関してこれまでに得た成果を補強すること,および,調査項目4のための神経生理学的実験を開始すること,を研究実施計画として挙げており,これらに対応した順調な進展状況にある.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,調査項目1と調査項目2のさらなる補強を試みると共に,調査項目3に関する調査を進め,また,調査項目4に関する実測データを整理する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者・染谷への配分額については,主に,計算機の購入計画に変更があり,差額が生じたためである.具体的には,申請時は,モバイル型ワークステーション(高性能ノート型PC)を平成26年度に購入する計画であったが,これを前倒しし平成25年度に購入した.他方,計算用サーバーとしては安価な汎用型PCを購入した.研究分担者・岡田への配分額については,主に,実験環境のセットアップに時間を要したためである. 差額分は,次年度以降に,計算用サーバーの増強用パーツおよび神経生理学的実験のための消耗品の購入に使用する予定である.
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