2013 Fiscal Year Annual Research Report
視機性動眼反射に潜む非線形力学機構と脳型ロボットビジョン開発に関する研究
Project/Area Number |
25540110
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 能臣 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 助教 (40548442)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ロボットビジョン / 神経振動子 / 非線形動力学 / 分岐特性 / ニューラルネットワーク / 眼球運動制御 |
Research Abstract |
H24年度までに開発した物体検出アルゴリズム[Sato et al., 2011; Sato and Kuriya, 2012]を鋭意に改良し,Elastic Graph Matching (EGM)と呼ばれる顔認識アルゴリズムの実時間処理の問題を解消した,顔検出用Multi-scale EGMアルゴリズムを提案した.Multi-scale EGMは、既存の顔検出アルゴリズム:Viola-JonesのHaar-like feature adaboostに匹敵する実時間処理と高正検出率をほこる. H24年度までに既に開発した両眼ロボットビジョン装置を改良した.両眼それぞれにチルト用のサーボモータをとりつけ,自由度を増やした.次に,装置自体のコンパクト化を行なうため,糸捩り機構を導入し,動作音が発生しない,人間の目の動きと同等ないし,それ以上の動的性能の実現を可能にした.上記の顔検出用Multi-scale EGMアルゴリズムを改良したアルゴリズムを両眼ロボットビジョン装置に実装し、ロボットビジョン装置の2つのステレオカメラのリアルタイム顔追跡を実現した. また,大脳皮質の運動野に存在する運動ニューロンは,その発火率勾配に修飾され,発火活動を増強・減弱する生理実験の知見に基づき,n次元非線形常微分方程式で表わされ,視機性動眼反射等の眼球運動制御に関わる神経活動の数理モデルや神経振動子を利用し,位相縮約法と呼ばれる,n次元空間の微小摂動の位相記述から,発火率勾配を導出し,神経振動子に潜む非線形力学特性や分岐特性遷移を理論的に明らかにした.この発火率勾配解析をロボットの歩行運動制御で広く利用される松岡振動子に適用することで,ロボットビジョン運動制御における,松岡振動子の機能的役割の新たな可能性を示唆した.
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