2013 Fiscal Year Research-status Report
相補型同時最適化理論に基づく限定色画像拡大アルゴリズムの確立
Project/Area Number |
25540111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu Institute of Information Sciences |
Principal Investigator |
麻生 隆史 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (20259683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
車 炳王己 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (10310004)
田向 権 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (90432955)
久保田 良輔 宇部工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (50432745)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソフトコンピューティング / ファジィ推論 / 画像拡大 / 色量子化 / 限定色画像 |
Research Abstract |
電子ペーパーに代表される新しい表示デバイスの開発では,消費電力や応答速度を最重要視しているため,デバイスの性質上,使用できる色数がフルカラーのディスプレイに比べ著しく制限される.従って,このようなデバイスで表示される画像は限定色画像に制限される.限定色画像は,画像ごとに代表色が列挙されたパレットを持ち,パレットのインデックス値を各画素の値として持つ.限定色画像は,少ない情報量で高い画品質を保てるために,1990年代に広く研究されていたものの,液晶ディスプレイのフルカラー化と計算機の高性能化,並びにHP社のGIF特許問題に伴い,1990年代後半からはほとんど研究されてこなかった.しかし,近年,GIF特許期限が切れたことや,電子ペーパー等の新しい表示デバイスの登場があいまって,表示可能色数の少ない表示デバイスでの使用に耐えうる限定色画像が再び注目を集めている.限定色画像に関する従来研究は,多くの色を少数の代表色で表現するための色量子化法のみに焦点が当てられていた.これでは,表示サイズ(解像度)の異なる種々の端末への対応が不十分であり,サイズの異なるディスプレイでの表示を考えると限定色画像を品質劣化なく拡大する技術が必須となる. 私たちはこれまでに,通常の画像・動画像拡大法について数多くの研究成果を得ているので以下の事を検証した. (1)低・高解像度画素パターン間の写像関係を表現するコードブックを効果的に用いることで,エッジ保存性に優れ,かつ画像鮮鋭度の高い画像拡大の実現. (2)従来の色量子化に関する知見と,私たちが蓄積してきた最新の画像拡大技術を融合することで,限定色画像に特化した“古くて新しい画像拡大技術”の確立. さらに,本研究を推進にあたり,画像処理の国際会議VISAPP2014(リスボン)において情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私たちがすでに公表している画像拡大手法に相補型同時最適化理論を組み込み,限定された色において高精度かつ高速なアルゴリズムの開発をシミュレーションし,その検証を行って来た. 本年度においては良好な結果となる拡大アルゴリズムは開発に至っていないが,様々な見地からアイディアを出した結果,限定色において良好だと考えられる色量子化アルゴリズムが見出された.最適化変数とコスト関数の検証について詳細に検討した.
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Strategy for Future Research Activity |
電子ペーパー上で,画質を保ちつつ画像の解像度を実時間で自由に変更可能な「限定色画像向けの新しい画像拡大アルゴリズム」を開発する.具体的には,「指定された色数による適応的な色量子化」と「量子化された色情報による画像拡大」という一見異なる二つの最適化問題を相互に影響を及ぼし合う「相補型同時最適化問題」として統合し,その同時求解アルゴリズムである.
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