2013 Fiscal Year Research-status Report
植物ロボット化による感覚行動系発達と初期的社会性の創発可能性に関する研究
Project/Area Number |
25540115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
水内 郁夫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60359651)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 植物ロボット化 / 感覚行動系 / 社会性 / 光合成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、植物の生長高速化や高密度配置化を目指した植物ロボット化研究の取り組みを通して、感覚行動系の発達と初期的社会性の創発可能性を探ることである。植物の栽培ポットに移動機構や向きを調節する機構を組み込み、光量やCO2 濃度等のセンサを取り付けてロボット化する。ロボット化された各植物が自律的に光やCO2 を求めることで高密度配置になり、葉温が上昇し光合成能が低下した個体と葉温が低い日陰の個体が入れ替わる事で太陽光を空間的・時間的に有効活用できる。個の最適行動戦略と、集団としての総光合成量増大戦略は、脳神経系の発達した動物の初期的な状況のシミュレーションに相当する可能性があり、発達と知能の本質に迫るような成果をねらっている。 平成25年度は、ロボット化された植物が、各種感覚情報に応じてどのように行動を行うかの仕組みに関し研究を進めた。 100台程度のプラントロイドと名付けた植木鉢ロボットが、日向にいると葉温が上昇し日陰にいると葉温が下降するモデルを導入したシミュレーション環境を構築した。現在の葉温に応じて人工ポテンシャルの傾斜が正負の間を連続的に変化するようにし、各個体が葉温に応じて日向に行きたいか日陰に行きたいかを連続的に変えることで、限られた日照面積を有効に活用して光合成総量を増加できることを示した。 また、感覚に基づく行動の原理の別の例として、自分が経験したことの無い感覚情報を得たいという行動指向性(好奇心)を、感覚行動系のロボットに持たせる方法を検討した。提案したアルゴリズムに基づき、ランダムに行動を選ぶよりも効率良く新奇な感覚情報を得られることを実験的に検証した。 これらの研究成果は、学会発表及び書籍として発表し、平成26年度には査読付き国際会議論文(発表確定)や、査読付雑誌論文(条件付き採択確定)でも発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロボットに新奇な感覚状態を得たいという欲求として「好奇心」を研究し、新奇な感覚を得ることが期待できる行動を生成するアルゴリズムの開発などを行った。ロボット化された植物の行動原理として活用してゆくことが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、ロボット化された植物を複数台用意し、実環境でそれぞれの感覚に応じた行動を行う実験を繰り返し、そこから初期的社会性の創発可能性を考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度にはアルゴリズムの研究を中心に行っており、平成26年度にロボット化植物を何台か開発して実験を行うため、次年度使用額が生じた。 平成25年度に試行錯誤したアルゴリズムを、実世界で実験的に検証するために、植木鉢ロボットを数台開発する。センサも活用する可能性のあるセンサを多種類購入する。
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Research Products
(7 results)