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2014 Fiscal Year Research-status Report

コオロギと移動ロボットのマルチモーダル相互作用による配偶行動メカニズムの理解

Research Project

Project/Area Number 25540118
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

川端 邦明  独立行政法人理化学研究所, 理研-XJTU連携研究ユニット, ユニットリーダー (90301754)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 青沼 仁志  北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (20333643)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords昆虫 / 相互作用 / 適応メカニズム / 移動ロボット
Outline of Annual Research Achievements

研究二年度目である今年度は,クロコオロギの配偶行動の生成メカニズム理解に向けた研究開発として,初年度の成果をうけて以下の項目について実施し,成果を得た.
昨年度開発を行ったクロコオロギと音・化学刺激による相互作用実験を行うためのプラットフォームであるマイクロ移動ロボットおよび小型スピーカによる刺激提示について研究を行った.特に,前年度に開発を行った小型移動ロボットを用いた計測制御系を基礎として,ビジュアルトラッキング情報に基づいてマイクロ移動ロボットを遠隔制御する基礎制御ソフトウェアの開発を行った.さらに,クロコオロギとマイクロ移動ロボットの相対位置を画像処理によって導出し,その関係に基づいてマイクロ移動ロボットの動作を制御する実験を行った.雌クロコオロギとの相互作用実験から,開発制御系と動作パターンを用いて,雄・雌クロコオロギ同士と同等の振る舞いを引き出すことが確認できた.一方,音刺激については,初年度に検討を行った録音音声の再生用のコオロギ・スケールの小型スピーカから,遠隔操縦によって録音したコオロギの鳴き声を選択して再生するソフトウェアを開発した.これを用いた基礎的な実験により,雌クロコオロギがスピーカから再生した音声に対しても音源定位できることを実験で確認した.
一方,昆虫の行動の動機付けには脳内の生体アミン類のはたらきが重要である.本年は個体密度の増加に伴って脳内のドーパミンとセロトニンの量が変動することをコオロギとは近縁なバッタの実験で示した.これらの生体アミン類は,種を超えて類似の働きがある.バッタ目のバッタとコオロギで個体間の相互作用に対して脳内の生体アミン活性の恒常性が維持されることを確かめたことで,脳内の生体アミン類の働きに対する理解が深まった.
本研究課題推進によって得られた成果については,関係学会の論文誌や国内外の講演会・会議において公表を行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度も,研究者代表者と分担者の間で緊密に情報交換や意思疎通,協力を行ったことで,順調に研究活動が推進され,当初目標としていた目標を概ね達成することができた.
具体的には,マイクロ移動ロボットを用いた化学刺激のための相互作用行動の基礎的な実験と小型スピーカを用いた音声再生に関するソフトウェアの基礎的な開発を行い,動作実験する目標を達成した.また,配偶行動の動機付けや,個体間の相互作用によって脳の恒常性維持される仕組みについての理解が進んだ.
次年度も引き続き,現在の研究開発体制を維持・発展させ,本研究課題の当初の目標を達成することが十分可能な状況にあると考えている.

Strategy for Future Research Activity

初年度と今年度の研究開発によって得られた,マイクロ移動ロボットを用いたビジュアルトラッキング情報に基づいた行動と,計算機による小型スピーカから音声再生を,能動的に制御することで,クロコオロギと実スケールにおいて,音声およびフェロモンによる化学刺激に基づいた相互作用実験・データ記録および分析を行う予定である.実験では様々な刺激提示パターンによって行うことを考えており,この試行に基づいて行動的な観点からの刺激に対する配偶行動のメカニズム,性質について理解する予定である.
これまでの研究から,個体間の相互作用によって,脳内の生理学的な状態が生体アミン類の恒常性として維持されることが示唆された.今後は,移動ロボットを用いて積極的に相互作用を操作することで,相互作用による脳内の生理学的な状態がどの程度変容し行動に結びつくのかを定量的に調べる.
前年度に引き続き,本課題の研究開発活動により得られた成果は,関係学会などに積極的に公表していくことで研究成果の周知に努める予定である.

Causes of Carryover

これまでの研究費において残額が生じているが,順調に研究成果があがっていることをふまえた上で,効果的な予算使用として,クロコオロギを用いた生物実験や相互作用実験のための消耗品等へと充当することが研究成果の発展に効果的であると考え,残額分を次年度に使用することとした.

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度配分予定の研究費の使用計画としては,前述のコオロギの生物実験のための消耗品や計測制御のための計算機周辺機器等に使用することで,研究を円滑に進める予定である.また,研究成果を国際論文誌や国際会議,国内会議等で公表するための出張旅費や研究活動を促進する調査旅費等にも使用していく予定である.高額の備品等の購入予定はない.

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Dopaminergic modulation of phase reversal in desert locusts2014

    • Author(s)
      Alessi A.M., O'Connor V., Aonuma H. and Newland P.L.
    • Journal Title

      Front. Behav. Neurosci.

      Volume: 8 Pages: 371:1-15

    • DOI

      10.3389/fnbeh.2014.00371.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Experimental Study on Robotic Interactions to the Cricket2014

    • Author(s)
      Kawabata,K., Aonuma, H., Hosoda, K., Sugimoto, Y., Xue, J.
    • Organizer
      2014 IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics
    • Place of Presentation
      Bali,Indonesia
    • Year and Date
      2014-12-05 – 2014-12-10
  • [Presentation] Systematic understanding adaptive behavior- modeling of group size dependent aggression-2014

    • Author(s)
      Aonuma, H.
    • Organizer
      ICN2014 satellite programs/Hokkaido Neuroethology Workshops 2014
    • Place of Presentation
      Hokkaido Univ., Japan
    • Year and Date
      2014-07-24 – 2014-07-27

URL: 

Published: 2016-06-03  

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