2014 Fiscal Year Annual Research Report
超小型多成分調合嗅覚ディスプレイを用いた香る音楽コンテンツの制作
Project/Area Number |
25540120
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中本 高道 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (20198261)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 嗅覚ディスプレイ / SAWデバイス / マイクロポンプ / バーチャルリアリティ / クロスモーダル効果 / 感性インタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度はまず嗅覚ディスプレイの小型化を検討した。マイクロポンプの種類を検討し、従来使用しているものよりもさらに小型のマイクロポンプを使用できるようにした。そして、マイクロポンプと液だめと香料をSAWデバイス上に滴下するノズルを一体化する構造を3Dプリンタで製作した。また、マイクロポンプで必要な100Vp-p程度の交流電圧を簡便に生成できる回路を開発した。その結果、従来必要だったDC-DCコンバータ等も不要になり、大幅に回路面積が減少した。それから、香料の霧化の安定性を検討した。最初は霧化できていても時間経過と共に霧化できなくなる現象がしばしば発生したので、その原因を追究した結果、SAWデバイスの温度上昇に伴う共振周波数の変化であることを見出した。SAWの伝搬速度に温度依存性があるので、温度により最適霧化周波数が変化する。そこで、SAWデバイスの基板温度を非接触温度計で計測してその結果を元にDDS(Direct Digital Synthesizer)により駆動周波数を変化させたところ霧化安定性が著しく向上することがわかった。この成果は現在特許出願中である。 また、嗅覚ディスプレイと音楽の親和性に関する検討も行った。そして、平成26年12月に中本がオーガナイザとしてDigital olfaction congressという国際会議を開催し、その中で香りと音楽の同時提示を行うリサーチデモを行い、香りと音楽のクロスモーダル効果を調べた。香りと楽曲のそれぞれについて、“軽い”、“重い”、“冷たい”印象のものを選び、同時提示した結果、楽曲と香りの印象が同じ場合にはその印象を強めあい、反対の場合には楽曲の印象に近づく傾向が得られた。
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