2013 Fiscal Year Research-status Report
光電融合型ブレインアフェクティブインターフェースの開発
Project/Area Number |
25540121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
中川 匡弘 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60155687)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳波 / ヘモダイナミズム / カオス / フラクタル / センシング |
Research Abstract |
今年度は, 多チャンネルヘモダイダイナミクスのカオス・フラクタル性の高精度な抽出技術の確立,ならびに,多チャンネルデータの収集装置とヒトの感性に係る脳活性部位と発生メカニズム解明のための可ウエアラブルな光電融合型感性・意思情報計測システムの開発を主たる目的とし、研究を進めた. [1]光トポグラフィと脳波計測 光アフェクティブシステムと小型脳波計測装置で光電融合型アフェクティブインターフェースのプロトタイプを構築した.ただし,さらに、多チャンネル(最大22Chで16bits)高速の専用A/D変換ボードを搭載した制御ボックスのため,専用の入出力プログラムを開発した.高時間分解能マルチフラクタル次元解析プログラム開発 従来の時間依存フラクタル次元の定量化においては,計測データの埋め込みによるアトラクタの解析を基本とするため,時間分解能の向上と評価されたフラクタル次元の精度向上は相容れない条件とされてきた.即ち, 時間分解能を高くしようとすると,解析データ点数(アトラクタの点数)を多くとれず,結果としてアトラクタのフラクタル次元を求めるために,例えば埋め込みアトラクタを相関次元で評価した場合,フラクタル次元値の信頼性は十分に確保されない.そこで,我々は図2に示すように,生体信号を非整数階の微分処理を行い,ガウスランダム雑音w(t)をリファレンスとした最尤推定を行うことにより十分な推定精度を確保している.実際,数百点程度のデータ点数があれば,十分な精度が確認され,1~10kHz程度でデータ収集ができれば,0.1~0.01sec以下の時間分解能が実現されることを大型の脳波計を用いた予備実験で確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
光電融合型のスマートセンシング技術の開発に向けて、チャンネル数の削減に伴う生体情報の補完として、マルチフラクタル解析を導入し、その手法を脳波とヘモダイナミズムの両方に適用することにより、当初予定していたよりも高い認識率を実現することに成功した。 まず、浅い感性・感情を示す脳波と筋電等不要なノイズを高精度で分離する技術を確立するため、より高性能な信号増幅装置(を導入し、脳波・ヘモダイナミズムに加えて筋電信号(アーティファクト)を計測した。PolymateMini(AP108:デジテックス)は当初の計画では導入を予定していなかったが、小型・軽量であり、筋電信号等のアーティファクトを簡便に計測可能であることからも今回導入することとした。さらに、アーティファクトが混入した生体信号に独立成分分析を併用することによりアーティファクトを除外し、解析対象となる脳波抽出を行うことに成功した。次に、従来の時間依存フラクタル次元の定量化においては、計測データの埋め込みによるアトラクタの解析を基本とするため、時間分解能の向上と評価されたフラクタル次元の精度向上は相容れない条件とされてきた。即ち、時間分解能を高くしようとすると、解析データ点数(アトラクタの点数)を十分に多くとれず、結果としてアトラクタのフラクタル次元を求めるために、例えば埋め込みアトラクタを相関次元で評価した場合、フラクタル次元値の信頼性は十分に確保されない。そこで、本研究では、生体信号を非整数階の微分処理(特許取得3933568号)を活用し、ガウスランダム雑音w(t)をリファレンスとした最尤推定を行うことにより十分な推定精度を確保する。また、数百点程度のデータ点数があれば、十分な精度が期待される。実際、1~10kHz程度でデータ収集ができれば、0.1~0.01sec以下の時間分解能が実現されることを大型の脳波計を用いた予備実験で確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、初年度開発した光電融合型感性計測装置のプロトタイプをにおいて、ペーストレスを実現するために、新規に凸電極を開発し、その性能評価を行う予定である。 具体的には、以下の2項目を重点的に進める。 ①脳波・ヘモダイナミクスの高精度な抽出方法の確立 昨年度の実績を踏まえて、感情を示す脳波と筋電等不要なノイズを高精度で分離し、 ヘモダイナミズムのアーティファクトに対するロバスト性を活用した光電融合スマート センシング技術を確立するため、我々の計測目的に必要十分な時間分解能を有する近赤外分光装置を導入し、さらに精度向上のために独立成分分析を併用することによりアーティファクトを除外し、解析対象となる感性に係るデータ抽出を実現する。 ②計測装置のスマート化 今年度の研究成果を受けて、本年度においては、被験者へのストレスを一層軽減するため、脳波計測装置の小型化とスマート化、ファームウエアの実装を図り、さらに、低ノイズの無線化のための技術を開発する。さらに、本学と資生堂との共同出願特許(特許出願 2011-023071)である導電性高分子を用いたペーストレス電極の開発を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の導電性ゲルの納品が間に合わなかったため,次年度の予算と合わせて執行する予定である. スマートセンシングを実現するため,6月中にペーストレス用導電性月を導入し,計測チャンネルの削減を進めるとともに,利便性の高い計測システムを開発する予定である.
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Research Products
(11 results)