2013 Fiscal Year Research-status Report
接近-回避の動機づけ状態を脳波で判定する新しい手法の開発
Project/Area Number |
25540126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
入戸野 宏 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (20304371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 いづみ 科学警察研究所, 法科学第四部, 主任研究官 (80356162)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 感性 / 脳波 / 動機づけ / 心理生理学 |
Research Abstract |
接近-回避の動機づけ状態の変化を反映する新しい指標と手法を開発するため,2系統の研究を開始した。 1つの研究では,動画に対する主観評価と脳波との関連を検討した。映画の予告編映像を視聴しているときに,体性感覚プローブ刺激を提示し,ボタン押し反応を求めた。12本の予告編を用い,それぞれの視聴直後に主観評価を求めた。9項目に対する評定値を主成分分析によって縮約し,興味に関連する合成得点を求めた。脳波は頭皮上34部位から計測した。その結果,興味得点の高い動画を見ているときは,プローブ刺激に対する事象関連電位のP3成分の振幅が小さく,プローブ刺激が提示されない区間におけるアルファ帯域パワーが小さいことが分かった。さらに,重回帰分析により,P3振幅とアルファ帯域パワーは独立して興味得点を予測することが分かった。しかし,体性感覚刺激の処理には本質的に半球差が含まれることから,接近-回避動機づけと関連するといわれる前頭部脳波パワーの左右差を検討するには,この方法は理論的に不向きであることも示唆された。 もうひとつの研究として,2つの選択肢が交互に提示される二肢選択場面において脳波を計測する予備実験を開始した。情動価の異なる2種類の写真(快 vs. 中性,中性 vs. 不快,快 vs. 不快)を3秒に1枚ずつ交互に提示したときの脳波を測定した。脳波パワーの左右非対称性指数から写真の情動価を推定することを目指し,データの分析を進めている。 さらに,第3年度に予定していた脳波パワーの半球差をオンラインで表示できるソフトウェアシステムの開発を前倒しして行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定どおり2系統の研究を開始するとともに,第3年度に予定していたソフトウェア開発を前倒しして行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次の2つの方向で進める。 (1)プローブ刺激法の利点と欠点を精査して,次の実験を計画する。 (2)二肢選択場面における脳波データを分析して,指標と分析法,課題を改善する。
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Research Products
(2 results)