2013 Fiscal Year Research-status Report
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25540129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 理宇 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (10401259)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 翻訳 / 翻訳制御 / データベース / Ribosomal profiling / モチーフ / 国際情報交換 |
Research Abstract |
近年Non-coding RNA という翻訳されないRNA の存在が明らかになってきた。しかしながら、これらがどのような役割をしているのかに関しては不明な点が多い。ここで、再び考えてみると、これらのlincRNA は、長いORF を持つか持たないかによって定義されているだけであり、実際にはsmall peptide が翻訳されている可能性もある。一方、RNA が転写されて以降の制御情報、すなわち翻訳制御情報に関しては、現在でも乏しい。例えば、現在までに知られている翻訳制御に関わる配列は、開始コドンのやや上流にあるKozak、mRNA の開始部分の二次構造、コドン使用頻度等が知られている。しかしながら、どの遺伝子がこれらの構造を持つか、それらが時期・空間的に発現制御を受けているのか、といったことを網羅的に解析した報告はない。以上のように、翻訳に関する網羅的解析の報告は少なく、翻訳されてるRNA やその制御機構については不明な点が多い。 本研究課題では、まず、ribosome profiling 等のデータを利用して翻訳されているRNA と翻訳されていないRNA の分類を行う。さらに、細胞ごとに翻訳状態が異なる、すなわち細胞特異的な翻訳制御を受けているRNA を同定する。続いて、翻訳制御が細胞間で違いがあるのかを検討する。その一方で、ゲノム配列上(主に転写される部分)に存在する翻訳制御情報の抽出し、その制御要因となり得る配列情報を推定する。さらに、そのモデル化を行い、実験的な検証を行う。また、それらとSNP 情報を照らし合わせ、発現制御を考慮に入れた疾患・発現メカニズムについても考察する。最終的に、得られた情報は、構築したデータベースに格納し,翻訳制御の総合的なデータベースとしてweb 経由での公開を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、PC3細胞を用いてribosomal profilingの実験を行い、翻訳されているRNAと翻訳されていないRNAの同定を行った。この結果、mRNAでありながら翻訳されていない可能性のRNAとnon-codingでありながら翻訳されている可能性のあるlnc-RNAを抽出できた。意外にもlnc-RNAの半分程度がribosome分画での存在が確認され、翻訳されている可能性が示唆された。さらに、翻訳されていないmRNAでは、phosphoprotein, zinc-fingerといったGene ontologyが有意に観察され、生物学的に意味を持つ可能性が示唆された。また、non-coding と考えられていたlnc-RNAの一つは、over-expressionさせると細胞周期の亢進が観察された。現在、これが本当に翻訳されているのかについて質量分析計との結果と照合中である。これ以外にも、既存のnon-coding RNAの配列から潜在的なORFのデータベースを作り、質量分析計の結果に対して検索を行った。これにより、まず80種類程度の候補を得ることができ、tblastxによりマウスのデータベースを検索した結果、1/3程度にホモログがあることがわかった。 以上のデータは、潜在的なORF配列、Ribosomal profilingの結果、観察された細胞等をデータベース化し、内部的に利用している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26 年度は、25年度で作成したデータベースを元に、翻訳制御情報の抽出とそのモデル化及び検証に重点を置く。まず、Kozak, IRESといった既知のモチーフ・配列情報探索を行い、翻訳されている潜在的なORFの制御機構について検討する。続いて、未知のモチーフ探索をMEME等のモチーフ検出プログラムを用いて検出する。複数の配列から共通の短い配列(モチーフ)を抽出することは、計算機的に困難でり、複数のプログラムを比較する。さらに、転写時に何らかの目印がRNA に付加されて翻訳制御が起きている可能性をけんとうするため、ゲノム配列に戻っての解析も行う。具体的には、転写される部分の上流と下流1kbp 程度の範囲内に対して、転写因子結合部位や、ヒストンのメチル化ヌクレオソーム構造等と比較する。これらのデータは、申請者が構築したデータベースDBTSS に存在し、直ちに利用できると考えている。 以上の配列情報の有無を用いて、翻訳制御情報のモデル化をおこなう。まず、決定木を用いてモチーフや二次構造等でどのくらい翻訳度が説明できるのかを把握する。続いて、各要素にパラメータを与えて線形回帰を試み、翻訳度推定のためのモデルを構築する。これらの推定は、細胞ごとにも行い、ユニバーサルな翻訳制御だけでなく、組織、実験条件特異的な翻訳制御についてもモデル化を行う予定である。また、得られたモデルに関しては、ルシフェラーゼアッセイにより検証を行う予定である。 これらのデータは、今年までに作成した内部データと組み合わせ、データベースとして公開を目指していく。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] MicroRNA-126-mediated control of cell fate in B-cell myeloid progenitors as a potential alternative to transcriptional factors.2013
Author(s)
Okuyama K, Ikawa T, Gentner B, Hozumi K, Harnprasopwat R, Lu J, Yamashita R, Ha D, Toyoshima T, Chanda B, Kawamata T, Yokoyama K, Wang S, Ando K, Lodish HF, Tojo A, Kawamoto H, Kotani A.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 110(33)
Pages: 13410-13415
DOI
Peer Reviewed
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