2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25540141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 賢 大阪大学, 生命機能研究科, 招へい准教授 (70571173)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ネットいじめ / ソーシャルメディア / テキストマイニング |
Research Abstract |
本研究は,ソーシャルメディアにおけるユーザ間のコミュニケーションを「匿名性」の観点から分析し,現在深刻な社会問題となっている「ネットいじめ」の発生原理を理解することを目的としている.この目的を達成するために,初年度は,米国のソーシャルメディアサイト(SNS) spring.meよりユーザ間のコミュニケーションデータを取得・分析し,ネットいじめの特長を理解する.また,次年度には,初年度に得られた知見をもとに匿名ユーザの合理的行動モデルの構築と集団行動の理論分析を行い,ネットいじめを検出した匿名ユーザが被害者を擁護する条件を導く.また,収集したデータセットや開発ツールを一般公開すると共に,著名国際会議や国際学術論文誌へ研究論文を投稿する. 初年度には,spring.meよりテキストデータを収集し,自動的にデータベース化するプログラム(Web Crawler)の開発を進めた.中傷的メッセージが多数投稿されているページのユーザを被害者として抽出し,被害者の社会ネットワーク(周辺ユーザの集合と繋がり)を重み付き有向グラフで表現する.有向グラフのノードはユーザを表し,識別子(ユーザ名や「匿名」)でラベルした.また,ノード間のエッジでメッセージの投稿を示す.投稿回数や悪質度合いをエッジの重みで表現した.今後,このグラフ構造を分析し被害者,加害者,匿名ユーザの社会関係を理解する.例えば,匿名ユーザと被害者を結ぶエッジの重みが大きい場合,匿名性を利用した攻撃が行われている可能性がある.また,加害者が被害者に対して社会的に優位なネットワーク(例えば,多数の友人をもつ)可能性があり,その真偽を検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウェブデータの自動収集プログラムの開発に想定以上の時間を要した.対象としているソーシャルメディアサイトのデザイン変更に伴い,自動収集プログラムにも変更が生じたり,自動収集プログラムからソーシャルメディアサイトに接続できなくなる,などテクニカルな問題が発生した.現在まだ問題を解決できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
通信ログの分析をして,自動収集プログラム内で生じている問題を同定する.問題解決できない場合,利用しているライブラリを変更する.これでも問題解決できない場合には,対象とするソーシャルメディアサイトを変更すること考える.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析データの自動収集プログラムの開発に大幅な遅れが生じたため,研究成果発表まで進められず,旅費などに残額が生じた. 次年度には,プログラム開発のための研究員を雇用して,プログラムのデバッグを進める.
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