2013 Fiscal Year Research-status Report
患者の気持ちを医療者に伝えるソーシャル・アプリの開発と評価
Project/Area Number |
25540148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
日紫喜 光良 東邦大学, 理学部, 准教授 (30324271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 浩樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20362353)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セルフケア / セルフケア支援システム / セルフケアコミュニケーションシステム / 福祉コミュニケーションシステム / ヘルスコミュニケーションシステム / ソーシャルネットワークシステム / 非同期的コミュニケーションシステム |
Research Abstract |
通院あるいは在宅で療養中の患者のケアの質を向上させるためには、地域医療に携わる医師・看護師・薬剤師等(以下担当者)と、患者や介護者との間の意思疎通が重要である。とりわけ、診察やケア以外の場面での患者がどのような気持ちでどのような生活を送っているかよく知ることが患者の不満や希望を理解するために重要である。そこで本研究では、今年度、患者が簡単に健康状態や生活行動などの情報を入力でき、関係する医療者に患者が情報や気持ちを伝えられ、さらに、入力を促進することをめざしたコミュニケーションシステムのバージョン1を作成した。このシステムを用いて、医療者と患者との関係が維持されたか、患者のデータ入力が促進されたか、関係者の意欲が向上したか、などを測定していく。 今年度、次のような機能が実現されたシステムを構築した。 (1)患者が健康状態、気持ち、あるいは今ちょうど行なった日常行動などを、文章だけでなく画像(ピクトグラム)をメニューから選んでタブレット端末に入力することを可能にするためのユーザーインターフェースならびに入力情報の履歴記録機能。(2)(1)と連携して動作する、患者が情報を入力したという行動に対して、賞賛し励ます情報を発するような強化子となるように、医療者側からコメントを入れられる機能。(3)対象となる患者の選定と了解を得て、患者のタブレット端末への入力履歴を解析して、どのようなピクトグラムを多く利用する傾向があったかなどを調べるための記録機能。 そして、システムが運用可能かどうかを調べることを主な目的として、名古屋大学医学部地域医療教育学教室の多職種連携教育研究のネットワーク上で活動している研究者等に趣旨を説明し、北海道、愛知県、熊本県等の地域の参加者から協力を得て、全部で7人の患者による利用を年度末までおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、次のような機能が実現されたシステムを構築した。 (1)患者が健康状態、気持ち、あるいは今ちょうど行なった日常行動などを、文章だけでなく画像(ピクトグラム)をメニューから選んでタブレット端末に入力することを可能にするためのユーザーインターフェースならびに入力情報の履歴記録機能。 (2)(1)と連携して動作する、患者が情報を入力したという行動に対して、賞賛し励ます情報を発するような強化子となるように、医療者側からコメントを入れられる機能。 (3)対象となる患者の選定と了解を得て、患者のタブレット端末への入力履歴を解析して、どのようなピクトグラムを多く利用する傾向があったかなどを調べるための記録機能。 そして、システムが運用可能かどうかを調べることを主な目的として、名古屋大学医学部地域医療教育学教室の多職種連携教育研究のネットワーク上で活動している研究者等に趣旨を説明し、北海道、愛知県、熊本県等の地域の参加者から協力を得て、全部で7人の患者による利用を年度末までおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)平成25年度に利用した患者ならびに担当した薬剤師あるいはケアマネジャーに対してインタビューを行い、インタビュー内容の質的分析を行うことによって、多角的に問題の抽出を行う。それによって、システムを評価するのみならず、システム開発時に認識していなかった、あるいは、優先度を下げたような機能を明らかにして、平成26年度のシステムの改良ならびに機能追加に役立てる。 (2)インタビューによる知見を、患者の特性に応じたシステムの開発に役立てる。 (3)H26年度に利用する患者ならびに医療者へのインタビューを行い、最終的な評価と今後の研究への方向付けをおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費が予定よりも安く済んだため。 共同研究者が東京等での打合せのための旅費として使う予定。
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Research Products
(2 results)