2013 Fiscal Year Research-status Report
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25540156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 友介 芝浦工業大学, システム工学部, 准教授 (80345371)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アニメ / 聖地巡礼 / オタク / コミュニティ / SNS / ツイート / Google Map |
Research Abstract |
大洗町(茨城県、「ガールズ&パンツァー」)・竹原市(広島県、「たまゆら」)・湯涌温泉(金沢市・石川県、「花咲くいろは」)の各地でアニメ聖地イベントが開催されている日に訪問者向けのアンケート調査を行った。回収したデータ数は大洗が60名、竹原市が209名、湯涌音声が172名である。この3地点では開催者側へのインタビューも行っている。加えて、有力な観光地で聖地巡礼目的者以外も多いためにアンケート採取は断念したが、高山市(岐阜県、「氷菓」)では観光課にインタビューを行っている。アンケートの回答から、それぞれのアニメ聖地への訪問者(巡礼者)に違いがあることが明らかとなった。具体的には、1)大洗町は40代・50代が多く、他と比べて年齢層が圧倒的に高い。また、他と比べて圧倒的にリピート率が高く、SNS等の情報発信も活発であった。一方で聖地巡礼者の中でコミュニティが発生しており、古参・新参の対立が発生していた。2)竹原市と金沢市は若い男性が多いこと以外に強い特徴はなく、いわゆる「萌えアニメ」の聖地の基本パターンだと思われる、3)科研費申請時にすでに調査していた秩父市(埼玉県、「あの日見た花の名前を私たちはまだ知らない」)は女性比率が高く、大衆性の高い深夜アニメの基本的な特徴であると思われる。また、現地に足を運んでの実地調査、運営側の主体(市の観光課や商工会議所へのインタビュー)から、それぞれの町の対応に差があり、それによってイベントの成否に差が出ていることもわかってきた。現段階ではアンケートとヒアリングを踏まえて、仮説としてアニメ聖地を鷲宮模倣型・まちあそび型・地域独想型と分類し、それぞれの発展パターンをモデル化することを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
限られた予算の中で3カ所の聖地でのアンケート調査と1カ所で市の観光課へのインタビューを行い、その結果を分析しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
物語の聖地ではないが、アニメ会社がスタジオを設置し、アニメ会社が主体となって大きなイベントをしている町として徳島市がある。徳島市のイベント(マチアソビ)を調査し、いわゆる物語の聖地との違いについて考察することで、聖地巡礼現象の全体像の理解を深めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
5月及び10月に徳島市で行われるイベントであるマチアソビに参加するため、旅費を多めに残したため。 マチアソビ(徳島市)およびいくつかのアニメ聖地でアンケート調査を行い、社会経済システム学会(11月・京都大学)などで発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)