2013 Fiscal Year Research-status Report
初学者のプログラミング教育におけるプログラミング能力の把握とその改善
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25540160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 貴之 東京大学, 情報基盤センター, 助教 (70323508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 和紀 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (80158097)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / 誤答分析 / プログラミング / トレーシング |
Research Abstract |
初年度である平成25年度は、初学者向けのプログラミング教育において、早期の段階で学生のプログラミング能力を見極めるために、既存の実験システムを用いて新たなデータを収集すると共に、これまでに行った実験成果を整理することを中心に実施した。プログラミング能力を見極める実験とは、簡単なプログラムの実行結果を問うウェブベースのシステムもしくは筆記試験を用い、被験者である学生に頭の中でプログラムを実行させ、その結果を解答させるものである。この解答結果の分析によって、特定のパターンの誤りの傾向を示す学生について、プログラミングに関する学習成果との間で何らかの相関があるかを調査している。学習成果としては、プログラミング講義の期末試験の成績を用いる。 これまで約370人の学生に対してそれぞれ20問のオンライン試験を実施した結果から、7種類の誤答のパターンを抽出している。そして、それらのパターンの中で、基本的なプログラムの構成要素である繰り返し構造を解釈できないパターンと、繰り返し構造の中での一時変数を用いた条件式を誤って解釈するパターンの2つのそれぞれに該当する学生について、他の学生と比較して期末試験の成績が劣る傾向があることが明らかになっている。 なお当初の計画には無かったが、このような基本的な考え方や分析結果に関する現時点での成果について、国際会議の場で発表した。概ね評価を受けると共に関連のある既存の研究に関する意見を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際会議の場で査読付の論文として発表する機会を得たこと自体が、本研究の基本的な考え方と現時点での成果について、ある程度の評価を得られたことを意味しており、初年度の段階としては予定よりも進んでいると考えている。 但し、概要で示した誤答のパターンの妥当性,その誤答のパターンを発見して学生に適切な指導を与える方法、そして具体的なシステムの構造については、まだ十分にはまとめきれていない. 上記の2点を勘案して、区分を (2) とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度以降は、既存の実験システムを改良する形で、本実験を行う環境を整えることが最も大きな目標である。但し、研究計画の申請時に利用を想定していた、学習管理システム (Learning Management System、LMS) との間でのシステム連携に用いる技術が、平成26年度より本学で導入されたLMSでは利用できなくなった。そのため、LMS自体の環境構築も同時に行う。 システム上では、学生の解答を教員が閲覧して適切なフィードバックを与えられるように、管理用のインタフェースを開発する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画の作成時点で予定していなかった旅費や詳細金額が明らかでなかった物品費などを調整した結果の差額である。 次年度以降の物品費等に当てる。
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