2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on an application for Internet Cognitive Behavioral Therapy using e-learning and networking system.
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25540166
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
酒井 雅裕 北海道情報大学, 医療情報学部, 准教授 (20520323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10468324)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学習支援システム / 認知行動療法 / メディア技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に構築した「認知行動支援アプリケーション」の実効性検証を本年度実施した. 年度当初,実験実施に当たって,北海道情報大学生命倫理委員会へ実験計画を申請をし,承認(承認番号2016-01)を経て,研究協力者への文書と口頭説明での同意の下で,20歳以上7名の大学生男女に,平成28年8月から平成29年3月までの期間で実験を実施した.その結果,全実験を終了した「達成率」は3名42.9%であり,当該研究の目的であるITによるシステム援用の難しさを示す結果となった.未達成の理由は研究協力者の時間的余裕がないこと,認知行動支援アプリケーションコンテンツに含まれる自習内容が研究協力者には難易度が高かったとされた. 一方,「達成群」の学生の心理的変化は様々な結果を示した.抑うつ心理尺度のK6スコアが元来低い学生は,実験実施にかかわらずスコアの変動はあまり見られなかった.しかしながらK6スコアの高い学生は,「認知行動支援アプリケーション」の学習および本研究実験実施後,スコアがいずれも下がる傾向を示した.また研究協力者に向けての振り返りのインタビューの中で,感情の整理による悩みの持続の解消や,他者との会話に起因する対人・家族に対する自責が減り,他者との関係において派生する悩みが軽減され,就職活動のプレッシャーからも解放されているという内省を得ている. このように最終年度において本研究の目標とした「認知行動療法アプリケーション」の効果検証については不十分ながら一定の結果を得た.本研究においては重要なテーマであった「ソーシャルマッチ援用」の実装検証が十分出来ず課題として残された.今後もこの点については研究を継続したい.
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