2014 Fiscal Year Research-status Report
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25540170
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 裕之 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (40243977)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 漫画 / アニメーション / 動き / 知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本で放送されているアニメーション番組における動きの表現において、漫画で多用されるような線による表現がどのくらい利用されているかを調査した。アニメーションはもともと動画であるため、漫画で静止コマ中に描かれる運動線(motion line, action line)は必要ないものと思われるが、実際には多用されていた。調査は、福岡で放送された30分のアニメ番組のうち55本の本編において、総カット数、線が描かれているカット数、線の表現の種類等について集計した。動きの表現として線が描かれているカット数が多いものはスポーツ系のアニメであるが、ほとんどのアニメにおいて使用されていることがわかった。その種類は、漫画における表現と同様、物体の動いた軌跡を示す動きと平行な線分、震えを示す動きと垂直な線による多重像的な表現、動く物体の輪郭のぶれとして描かれる短い線、対象の動きと反対方向への背景の動きを表す背景の動きの軌跡を示す線、対象の動きを強調するために対象の前面に描かれる線、物が近づいてくる際に周囲に描かれる放射線、カメラのズームなどを模した放射線など、静止画である漫画における線の利用と共通するものが多かった。また、対象の動きではなく、強調や感情等を表現するために背景に線が描かれる場合や、漫画における集中線も用いられていた。漫画と異なっていたのは、線そのものに動きが付加されていた点である。対象の動きを表すために背景に描かれる線では、対象は動かずに対象と反対方向に背景の線が流れる動画となっていた。同様に放射線状の表現においても対象の動きと反対方向に線そのものが動いていた。これらの線による動きの表現が、実際にどのように対象の動きの知覚に貢献するのか、その提示タイミングを含めて次の実験的研究に発展させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は静止画における漫画の調査、2年目は動画におけるアニメーションの調査を行い、線による動きの表現の種類と特徴を抽出してきた。これらの結果によって、3年目に行う知覚実験の刺激材料が得られた。ここまで計画通り進展しており、3年目の実験の準備にもとりかかっている。期間終了時には実験データをもとにした論文を提出できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進は、実験によりデータを収集し、成果を論文化する方向に向ける。研究計画の変更等は特に行わない。ただし、線の種類が多彩であるため、すべてを実験に落とし込むことは難しく、どこまでの検証を行うかという線引きが難しい。実証的データとして科学論文に掲載することを優先して、計画を立てていく。
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Causes of Carryover |
2015年度に実験装置、人件費、英文校正等の費用が相当かかることが想定されたため、2014年度の出費を必要最低限にし、次年度使用額として残したものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験用の高性能ディスプレー、実験補助者短期雇用費、被験者謝金、英文校正費、論文掲載料、学会発表旅費等で、残額が0になるものと想定している。
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