2014 Fiscal Year Research-status Report
航空写真観測と数値モデルによるクラゲ集群密度と湾規模の現存量推定手法の開発
Project/Area Number |
25550014
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
郭 新宇 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10322273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 直紀 佐賀大学, 低平地沿岸海域研究センター, 助教 (10403859)
吉江 直樹 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 講師 (50374640)
武岡 英隆 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90116947)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミズクラゲ / 現存量 / 空間分布 / 時間変化 / 集群 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年8月25日から27日まで豊後水道に面する愛媛県宇和島市の法華津湾でミズクラゲを対象とした現地観測を行った。観測項目は計量魚群探知機による音響探査、水中ビデオカメラによる撮影、クラゲの傘径測定、環境要素 (CTD,DO,流速)の計測などが有った。その詳細は以下の通りである。 1)計量魚群探知機によるミズクラゲの観測を行った。計量魚探がクラゲを定量的に計測できているかどうかを確認するため、水中ビデオカメラを用いて求めた個体数密度と、音響データとを比較した。その結果、計量魚探で得られた平均SVと水中カメラから求めたクラゲ個体数密度の間に有意な正の相関が見られ、魚探でもクラゲを定量的に測れていることがわかった。 2)魚探による湾のスキャンを行いクラゲの空間分布を求めた。2013年はパッチ状の高密度な集群と、表層に層状に分布する低密度な分布が見られた。パッチ状の集群は、その断面が中空の構造をしているものも多数見られた。それに対して、2014年は湾内ではパッチ状の分布はほとんど見られず、低密度で層状に広範囲に分布していた。 3)CTD観測のデータと比較すると、2013年、2014年ともに層状の分布は密度躍層が存在する水深と分布が一致していた。しかしパッチ状分布との対応関係はみられなかった。2014年の観測でスキャンを3日間にわたって行った結果、湾内の個体数が10分の1にまで減少しており,短期間で大きく変動することも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地観測及び観測データの解析は予定通りで終えたが、数値モデルの構築及びその応用はやや遅れている。その原因は、観測データの解析に時間が要することに加え、数値モデルの理解や計算コードの解読は予想以上時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の現地観測は従来の魚探計測と水中カメラの撮影以外に、簡易型の空撮を導入する予定である。さらに、数値モデルによる研究に重点を置き、ミズクラゲ集群形成に物理過程の役割を解明する。
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Causes of Carryover |
夏の観測は予想より経費の節約ができたため、未使用の経費が生じた
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に現場観測、さらに研究成果の国際学会での発表が予定されるため、研究費を使う予定である。
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Research Products
(3 results)