2013 Fiscal Year Research-status Report
衛星熱赤外データよる黄砂検出手法の開発と適用可能性に関する研究
Project/Area Number |
25550016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鵜野 伊津志 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70142099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 由香里 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (30462493)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境モデル / 黄砂 / リモートセンシング / ライダー |
Research Abstract |
黄砂輸送モデルとして、従来のRAMS/CFORSに変えて、世界的に広く使われているGEOS Chem化学物質輸送モデルを導入して、アジア域を50km格子でネストし、アジア起源の黄砂の輸送シミュレーションを行い、既存のRAMS/CFORSの黄砂輸送モデルの結果と比較検証を行った。この比較をもとにGEOS Chemの黄砂モジュールの改良を進めた。モデルの結果を衛星と比較するために、ジョージア工科大学Irina Sokolik教授のデータベースをもとに鉱物粒子の複素屈折率のデータを整備した。 モデルと比較するために、既存の衛星ライダーCALIPSO/CALIOPの黄砂観測事例を調べ、ライダー計測と熱赤外カメラで黄砂を同時に計測されている高濃度の黄砂事例を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CALIPSO/CALIOP と熱赤外センサーIIAの同期観測による高濃度の黄砂事例が本研究の解析に不可欠であるが、最近2-3年間には、2000年代始めに見られたような大規模な黄砂の頻度が減少しており、モデルを定量的に検証する有効な事例解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の地域・時間的に気温と水蒸気の変動する条件下でも、黄砂濃度をリトリーバル可能なIRSplit Window のアルゴリズムを構築する。ここで、基本的な考察は黄砂の光学的厚さAOD が、AOD=func(気温、水蒸気量、IIR 3 チャンネルデータ,地表面放射率、複素屈折率)の複雑な関数であることを利用した物理的な考察に基づく統計解析で行い、地域・時間的に気温と水蒸気の変動する条件下でも、黄砂濃度をリトリーバル可能なアルゴリズムの構築を進める。 以上に続いて、IIR 熱赤外差画像解析から得られる結果は鉛直に積算された黄砂濃度になるが、積算濃度を拘束条件として、GEOS Chem 黄砂予測結果による時間方向の変化を含む3 次元黄砂分布に展開する。その結果を、実際のMTSAT 赤外観測輝度、環境研究所のアジア域のライダーネットワーク観測値、NASA/CALIPSO宇宙ライダー観測値、MODIS,SeaWiFS など利用可能な観測結果と比較し、その妥当性を検証し、黄砂カラム濃度の診断精度を評価をおこない、研究成果の取りまとめを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CALIPSO/CALIOP と熱赤外センサーIIAの同期観測による高濃度の黄砂事例が本研究の解析に不可欠であるが、最近2-3年間では、2000年代始めに見られたような大規模な黄砂の頻度が減少しており、モデルを定量的に検証する有効な事例解析が十分に確保することができないため、ソフトウェアの購入の延期した。 適当な高濃度のダストイベントを抽出後に、研究計画を見直し、必要な放射コードを選定して購入をする。
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